環境立国日本の環境情報サイト
*コメント・URLは選考時のものです

選考者のつぶやき(財団法人AVCC 普及啓発部長 丸山 修)

 2008年7月7日〜9日 北海道洞爺湖サミットが開催される。これに向けて3月から千葉、東京、新潟,神戸、横浜、青森、大阪、京都・・・とエネルギー、労働、内務・司法、開発、環境、科学技術、財務、外務などの大臣会議、G20(持続可能な開発に関する懇話会)、アフリカ開発会議等が目白押しでひらかれる。北海道洞爺湖サミットのホームページによると、本サミットの主要テーマおよび日本として目指すことは、環境・気候変動に対し「環境立国日本」としてリーダーシップを発揮する・・・ことにあるとされる。

 そこで今回は、環境立国日本の地球温暖化などの環境問題に関わる情報提供サイトをいろいろ探索し、紹介することとした。あえてここで取り上げることを見送ったが「環境goo」は、環境問題に関わる情報提供サイトとして多彩な情報を有していて注目された。「自然」「暮らし」「食」「地域」「働く」「学ぶ」など生活者の情報ニーズや思考回路に合う形で、環境と生活をフォローしているように思えた。また、今回は選考対象から外したが、企業が情報提供している環境サイトも多彩だ。それぞれの専門性とも関連したユニークな情報がある。総じてわが国の環境情報はキッズから一般まで多様な情報があるのと、環境立国を自認するだけに関係省庁、関連機関などの情報発信が仕事とはいえ、活発だ。




【インターネット家計簿】
http://www.kyoto216.com/kakeibo/
 京都府企画環境部地球温暖化対策プロジェクトが運営するサイト。インターネットを活用して、家庭の電気やガスなどの使用量を入力することで、家庭からの二酸化炭素排出量が容 易に把握できるとともに、一般家庭の平均値と比較・評価できる。ステップ1(1日版)、ステップ2(1週間版)、ステップ3(1箇月版)の3段階が用意されている。ステップ 1は、京都府地球温暖化防止活動推進センターが運営している「きょうとエコ貯」サイトで7項目の省エネ宣言を行い、実践して報告するとポイントが貯まり、京都府内の協力店で 特典と交換できる。宣言を実行すると1日690gの二酸化炭素が減る。ステップ2は、7項目の取組みについて、夏休みの間に自分や家族が1週間実践できたかどうかをチェックする もの。ステップ3は電気やガスなどのエネルギー消費量を記録し、1カ月ごとに継続的にチャレンジするもの。会員登録して継続すると平均との比較のほかに前月や前年との比較も できる。また、20問の省エネ対策に答えるエコライフチェックで自分の得点や平均との差をレイダーチャートで確認できる。

【環境教育・環境学習データベース【エコ学習ライブラリー】】
http://www.eeel.jp/
 環境省総合環境政策局環境教育推進室が運営するサイト。環境教育や環境学習を行う学校教師や指導者のほか、環境について学びたいという子どもたちだけでなく家庭、地域、職場 の方々等を対象に、インターネット上に公開されているさまざまな情報を含めて、環境教育・環境学習に関する情報を総合的に提供していいる。コンテンツは「教材データベース」 「子どものページ(エコッ子ナビ)」「ファミリーのページ(環さんの素朴な疑問カレンダー)」「社員・職員のための環境研修」の4つで構成されている。「教材データベース」 はキーワード検索とカテゴリー検索があり、それぞれのテーマごとに「環境解説」「プログラム」「実践事例」「教材」情報が提示され、外部リンク等に案内される。また、地域情 報、学校教育情報、学習支援情報、環境学習施設、図書室といったアプローチからもインターネット上に公開されている関連情報に案内される。地域情報のメニューでは、各自治体 の環境ページ、市民参加型の環境調査情報、学習施設、環境学習に活用できる教具・教材、支援情報、自治体が定めた環境教育・環境学習指針の情報を閲覧することができる。「環 さんの素朴な疑問カレンダー」は食べ物、省エネ、住まいなど、1年を12のテーマに分け、4コママンガと疑問に応える関連情報がリンクされている。

【地球を元気にする環境情報サイト 集まれ!GreenFriends】
http://www.erca.go.jp/jfge/greenfriends/index.html
   (独)環境再生保全機構が運営するサイト。日本や世界で発生している、さまざまな異常気象の原因を知り、どうすれば防ぐことができるのかをいっしょに考えることが狙い。「地 球環境レポート」の項目では、「森林保全・緑化」「地球温暖化」「大気・水環境」「循環型社会」「野生動物の保護」・・・の5つのテーマをクリックするとそれぞれ6分程度の 映像レポートがスタートする。「環境クイズに挑戦 エコマスター検定」の項目では、「地球温暖化がこのまま進めば2100年には最大で海面は何センチ上昇するか」「マヨネーズス プーンひとさじを流しに捨てた場合、魚が住める水質にするにはバスタブで何倍分の水をが必要か」など、10問のクイズにチャレンジすると結果が表示され、終了証が発行される。 エコマスター検定と銘打つだけに、難易度の高い問題があり、回答に窮する。クイズ問題はランダムに出題されるのでチャレンジしがいがあるよう工夫されている。「教えてあなた のエコ宣言」は、読者がエコ宣言を投稿するコーナーで事務局チェックを経て採用作は1週間後に公開される。また、(独)環境再生保全機構の「地球温暖化」「大気環境の情報 館」「ぜん息などの情報館」「エコカーワールド」にリンクが張られている。

【いま地球がたいへん! 環境を守るNIESの活躍】
http://www.nies.go.jp/nieskids/index.html
 (独)国立環境研究所(NIES)が運営するサイト。コンテンツは「6つの手強い問題」(地球温暖化、オゾン層の破壊、環境ホルモン・ダイオキシン、生き物たちの保護、川や海を めぐる環境、自動車による大気汚染)、「6つの大切な問題」(森林の減少、開発途上国の環境問題、酸性雨、湖沼や海の水質汚染、有害物質と進入生物、社会や経済のあり方)、 「2つの緊急課題」(ゴミ・リサイクル、化学物質の安全性)、「さまざまな研究」(ユニークな研究、事故や災害時の対応、新しい技術の開発、情報の発信)で構成されている。 それぞれの項目をクリックすると、簡単な解説文と1分程度のビデオクリップがあり、さらにテーマを細分化した詳細情報「もっと詳しく教え手」へ進むと、専門的な解説やCGアニ メーションによる説明等が行われる。 地球温暖化について見ていくと「地球温暖化の問題について教えてください 」『「ヒートアイランド現象」とは、どんなことですか? 』 「二酸化炭素はどのくらい増えているのですか?」「このまま地球温暖化が進むとどうなるの?」「どんな異常現象が起きているのですか?」「どうすれば温暖化をくいとめること ができるの?」『「エル・ニーニョ現象」について教えてください』といった詳細 情報が閲覧できる。

【EICネット(環境情報提供システム)】
http://www.eic.or.jp/
 環境問題について知りたい、取り組みたい人の情報サイト。運営は財団法人環境情報普及センター。カテゴリーの自然環境、地球環境、大気汚染、水・土壌環境、健康・化学物質、 ゴミ・リサイクル、エネルギー、エコビジネス、環境教育・学習、環境行政、環境一般を選択すると、それぞれ新着国内ニュース、新着海外ニュース、新着イベント情報、新着環境 Q&Aのコンテンツがで新しい情報の順に提示される。内容は環境省、農林水産省、国土交通省、経済産業省、林野庁等の政策、新規事業、調査結果、イベント、助成制度などの発表 資料。海外ニュースは欧米の環境行政関連のニュースが並ぶ。キーワード検索機能を使うと、特定の事柄に関連する各省の政策が集められる。「ライブラリ」ではEICのオリジナル コンテンツの「EICピックアップ」が閲覧できる。現在「シリーズ・もっと身近に! 生物多様性」「アメリカ横断ボランティア紀行」といういずれも中身の濃いレポートと「H教授 の環境行政時評」といったコンテンツが連載されている。環境問題の運動や」活動機関を集めた「機関情報」、主な環境情報発信サイトを集めた「環境リンク集」、専門的な用語を 解説する「環境用語」もあり、調べ物の入り口として充実している。

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