暮らしや仕事に役に立つ情報セキュリティ学習サイト
*コメント・URLは選考時のものです

選考者のつぶやき(財団法人AVCC 普及啓発部長 丸山 修)

 つい最近も、自殺サイトを使った嘱託殺人事件、出会い系サイトで知り合った男に主婦が殺された事件、小学 6年生の女子児童が、自分が開設したプログに「うちの部屋が空いている」と書き込んだ20歳の男性に連れ去ら れ、8日間男性のマンションに住まわせられる事件などが起こり、携帯電話やインターネットが深く関与してい る事件が多発していることにあらためて驚いている。一方、「Winnyにより7000人の個人情報流出」「ファイル交換ソフト「Share」で個人情報が流出か」「約4万件の個人情報をWinnyで漏えいした」・・・等々、個人情報の流出事故もあとを絶たない。

 そんな社会状況に鑑み、今回のgoodsiteは情報セキュリティの普及啓発、サイバ ー犯罪の防止などの知識やノウハウを学習できるサイトを5つ紹介する。それぞれ特徴があるのだが、事件や事 故の全体状況をつかむには「警察庁サイバー犯罪対策」。ひととおり学習するのにいいのは総務省の「国民のた めの情報セキュリティサイト」。さまざまな仕組みを学ぶには「Policeセキュリティ講座」。そして自分の知識 を診断するには日本ネットワークセキュリティ協会の「知っておきたい情報セキュリティ」。一歩踏み込むのな らトレンドマイクロの「インターネット セキュリティ ナレッジ」か。




【警察庁 サイバー犯罪対策】
http://www.npa.go.jp/cyber/
 警察庁のサイバー犯罪対策サイトということで、コンテンツは「最新の予防策 CYBER WARNING」「インターネット安心安全相談」「都道府県警察の取り組み POLICE NEWS」「都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口 等一覧」「情報セキュリティビデオ」が充実。このほか統計や調査研究資料が蓄積されており、文字通りサイ バー犯罪対策の情報倉庫となっている。「情報セキュリティビデオ」のラインナップをみると、ホームページ への不正アクセス、身に覚えのないクレジットカードの高額請求などインターネット上のトラブルを取り上げ た「サイバー犯罪事件簿〜姿なき侵入者〜」。家庭のパソコンにスパイウェアを感染させるソフトが仕込まれ ていたことで詐欺や架空請求などのトラブルに見舞われる「サイバー犯罪事件簿2〜危険なアクセス〜」。通 販会社の社員が会社のパソコンにファイル共有ソフトを入れて音楽をダウンロードしたことで、顧客情報が流 出して大騒ぎになる「サイバー犯罪事件簿3〜NET SPY〜」。家庭を舞台に掲示板での中傷や、インターネット ・オークションでのトラブルを扱った「虚構への落とし穴」。小さなきっかけからバーチャルな世界で次々と 犯罪を重ねていく「虚構からの誘惑」・・・といった事件ドラマ風のタイトルが並んでいる。このほか関連サ イトの「危ない出会い系サイト」では、被害者の中心である中高生と保護者に向け「出会い系サイトの事件簿」 「身を守るためのルール」など、情報提供に力を入れている。

【国民のための情報セキュリティサイト(総務省)】
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/security/index.htm
 小学生から一般利用者、プロバイダーや自設サーバーを利用したホームページ開設者、企業の社員や情報管理 者、幹部など、幅広い国民を対象に総務省が開設している情報セキュリティ普及啓発サイト。コンテンツのメ ニューは「情報セキュリティ初心者のための三原則」「情報セキュリティのための知識」「利用方法に応じた 情報セキュリティの対策と実践」の3編から構成されている。「知識」の解説内容をみると、「はじめに」で は、なぜ、情報セキュリティ対策が必要かということを説明。次の「基礎知識」ではインターネットや情報セ キュリティの基本的なことがらを解説。「用語辞典」ではこのサイトで使用されている用語や情報セキュリテ ィに関する用語を検索して学べる。「事故・被害の事例」では、ワンクリック詐欺やファイル共有ソフトによ る事故など、情報セキュリティ対策を講じていないために発生した事故や被害19事例を紹介している。また、 「対策と実践」のコンテンツは「エンドユーザー」「ホームページ開設者」「企業・組織」に分類され、それ ぞれの利用方法別に必要な情報セキュリティ対策と実践内容を紹介している。なお「悪意のあるホームページ」 「ソフトウェアを最新に保とう」「ネットオークションにおける危険性」「無線LANにおける危険性」「スパイ ウェアに注意」「フィッシング詐欺に注意」「パーソナルファイアウォールの導入」「安全な無線LANの利用」 ・・・など知識、対策、事故事例等のコンテンツの一部はFlashアニメーションが用いられている。

【@Policeセキュリティ講座 ネットで学ぼう!インターネットの危険とその対策】
http://www.cyberpolice.go.jp/pc/elearning/
   インターネットを利用する一般の人々が注意すべきこと、インターネットの危険性等について、楽しく学習で きるeラーニングサイト。運営は警察庁。コンテンツはパソコンやインターネットをはじめたばかりに人や初心 者に向けた「入門講座」。メールやネットサーフィンを楽しめるようになった人に向けた「基礎講座」(メール 編、Web編、常時接続編、フィルタリング編)。インターネットの仕組みを理解し、ソフトの設定もある程度で きるようになった人に向けた「応用講座」(メール編、Web編、常時接続編、ID・パスワード編)の3つに分類 されている。また、コンテンツはFlashアニメーションで作られており、わかりやすく操作性もいい。中でも 「応用講座」の「ID・パスワード編」には、ナレーションの進行に沿ってイラストの該当箇所を「指差し」マー クがなぞり、進行中の解説項目にも矢印が表示され、テキストにはシンクロして下線が引かれるなど、一段と 分かりやくなっている。また、各学習ユニット終了後にはそれぞれ3問のテストがあり、即、学習効果が試され る。学習方法も「最初から学習する」「途中から学習する」「任意の項目を学習する」の3通りがあり、学習が 終わった項目には「済」マークが表示されるので、ランダムに学習する場合も終了箇所がひと目でわかる。こ の手のeラーニングコンテンツとしてはたいへんよくできていて注目される。

【知っておきたい情報セキュリティ理解度セルフチェック】
http://slb.jnsa.org/slbm/
 情報セキュリティに関する知識を自己診断できるセルフチェックサイト。利用するにはメールアドレスとパス ワードを登録し、ログインする。サイトは特定非営利活動法人 日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)が 経済産業省の委託を受けて開発し、運営している。診断される知識の領域は「電子メールの知識と利用法」「ウ イルスの知識と対処方法」「インターネットの利用法と注意点」「パスワードの知識と管理」「PCの利用上の 注意点」「オフィスにおける情報セキュリティ」「ルールや規則の遵守」「社外における情報セキュリティ」 ・・・の8分野。1回の診断は25問で構成されている。出題される問題は、実施毎に問題パターンが変わる仕組 みなので繰り返し実施することで効果が上がる。1回の診断制限時間は60分。標準解答時間は30分。「解答状況 を確認する」のボタンから、現在の解答状況の一覧を見ることができる機能や各問題についている「付箋をつけ る」にチェックを入れると、解答状況を確認した際に、付箋を付けた問題はひと目でわかるといった機能がある。 わからなかった問題に付箋を付けておくと、後で再考するのに便利だ。解答終了後の結果表示画面には、得点、 問題の正答と設問分野毎のレーダーチャート、評価が表示される。2007年1月末に公開して以来、9月末で受講者 数が6500名を越えたという人気も、一度試してみるとガテンがいく。

【インターネット セキュリティ ナレッジ】
http://is702.jp/
 「ウィルスバスター」の発売元トレンドマイクロ社が運営する情報セキュリティに関する情報・診断・研修サイト。 主なメニューはセキュリティ初級者向けのコンテンツ「セキュリティ対策どうすればいいの」。困った時、知り たい時に役に立つコンテンツをまとめた「いざというときのお役立ちコンテンツ」。パソコンを使いこなしている 上級者に向けた「セキュリティ最前線! 最新の傾向と対策」の3つ。初級者向けといっても「アナタは活用して いますか?みんなを守る『URLフィルタリング』」「気づかぬうちに金銭被害をもたらすインターネットの脅威に要 注意」「パソコンを買い替えたら、まずアナタはどうする?」「目指せ!全問正解『セキュリティ用語理解度検定』 「知らなかったでは済まされない『インターネット利用の法律相談』」「『しまった!』と思ったら…ワンクリック詐欺 の対処法、教えます」「徹底解明!実録 スパイウェアの侵入手口」「あなたのセキュリティ理解度は?“試して、 納得”の体験コンテンツ集」「Winny」を通じて感染する『暴露ウイルス』に要注意!」 などの実践的な知識・ノ ウハウを学習できる。このほか「フィッシング詐欺『だまさレベル』チェック」 「これだけは知っておこうフィッ シング詐欺サイトを見分けるポイント」なども、実践的でためになる。情報セキュリティをビジネスにしている企業 らしい実践的な知識・知恵が詰まっている。

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