子どもの安全を守るホームページ
*コメント・URLは選考時のものです

選考者のつぶやき(財団法人AVCC 普及啓発部長 丸山 修)

 日本はかつて「世界一安全な国」と言われていた。しかし最近の凶悪犯罪の多発ぶりはどうだろうか。凶悪犯罪にもいろいろあるが、昔と決定的に違うのは、そこに至る理由や動機がほとんど理解しがたいことだ。被害者や遺族の苦しみはそれゆえさらに増幅する。それだけに、なんとしても子どもだけは悲惨な事件から守らなければならない。被害者にならないよう守るだけではなく、加害者になることも防がなければならない。それが大人の責務だ。

 こうした子どもの安全をめぐる状況の悪化をかんがみ、文部科学省も平成18年度事業で「地域で子どもを見守る全国ネットワークシステムの構築」なる事業を行なうこととなった。資料によると「子どもを見守る活動」について、その取り組み状況や実施方法、得られた効果などを一元的に集約し、インターネットで検索閲覧できるようする。そして取り組みのない地域へ活動プログラムの策定方法や人材の確保、配置等のノウハウを提供する。全国各地の様々な取り組みを支援する・・・などとされており、有益な情報の収集と提供による成果を期待したい。


【子どもの安全特集 あなたは子どもを危険から守れますか(ベネッセ)】
http://benesse.jp/index.html
 Benesse教育情報サイトでは、教育発見隊アンケート調査の結果「子どもと安全について【前編】お母さんの思い、まずはわが子へ防犯教育」。「子どもと安全について【後編】改めて、つながる」が注目される。「子どもの安全について、最も心配なことは?」の問いには「事故(交通事故など)」「犯罪に巻き込まれること」「登下校や習い事の行き来」がベスト3となっており「子どもの安全を守るためにやっていることをすべて選んでください」の問いには80%が「防犯について教える」と回答。「防犯ブザーをもたせる」という回答も59.5%あった。また、子どもを伸ばす専門家を講師に実施している「保護者の授業」のコンテンツでは、現役小学校教師 親野智可等(おやのちから)さんの「子どもを伸ばす家庭学習法」(全4回)、創作絵本作家 葉祥明(ようしょうめい)さんの「絵本から学ぶ大切なもの」(全4回)、臨床心理士 平木典子(ひらきのりこ)さんの「コミュニケーション初めの一歩 〜相手を受け留めていることを伝え合うこと〜」(全4回)に続いて、2月8日から子ども危険回避研究所 所長 横矢真理(よこやまり)さんの「子どもを危険から守る!」(全4回: 第1回「子どもを取り巻くさまざまな危険) がスタートした。この「保護者の授業」はメンバー登録すると授業が動画で視聴でき、講師の顔ぶれや内容も充実している。

【子どもを犯罪から守るために(警視庁) 】
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/seian/bouhan/yuukai/uukai.htm
   警視庁ではインターネット上で「防犯チェックポイント〜子どもを犯罪から守るために〜」を公開している。これは「安全な暮らし」のメニューの「少年を犯罪から守る」の中にあり、コンテンツは19のユニットで構成されていてPDFファイルでダウンロードできる。主な内容は、「防犯のチェックポイント(小学生の被害の特徴)」「よい子の約束(4つの約束)」「エレベータ内(事例1)」「部屋の出入り時(事例2)」「訪問客(事例3)」「階段・踊り場・屋上(事例4)」「室内(事例5)」「自転車置き場(事例6)」など実際に危険なケースや場所を設定して解説している。また「ドキドキまあちゃんゲーム」では幼児・児童に対して8つの危険なシーンを設定し、危険を回避する正しい判断や行動が回答できるかどうかをテストする。そのほか「少年を犯罪から守る」のコーナーには「警視庁管内不審者情報」「親子関係セミナー」 「ヤングテレホン」「 こども110番マーク」 「ピーポくん ひと声運動」 「 いわゆる「出会い系サイト」利用者への規制 」「非行少年街頭犯罪検挙・抑止」などの情報がある。「親子関係セミナー」 は第1時限 茶髪・ピアス・薄化粧....成績も下がって(高2女子)。 第2時限 「うるせえ!」と怒鳴り暴れる(中3男子)。 第3時限 兄弟を差別する親、親の財布から金を盗む子ども(中2男子)。 第4 時限 何もかもイヤ!テレクラでうさばらし(高1女子)。 第5時限 深夜に補導「何がわるいの?遊んでるだけじゃん」(高2女子)。親と子のパソコンライフ〜ネットDE警視庁〜。プチ家出Q&A。「どうしたらいいのしつけの問題!」 など、子どもの危険を察知するための学習コンテンツが用意されている。

【子どもの犯罪被害防止対策プロジェクトチーム(広島県)】
http://www.pref.hiroshima.jp/cspt/
   子どもが被害者となる刑法犯認知件数を平成16年度から10%減らすことを目標に展開されている広島県の「子どもの犯罪被害防止対策プロジェクトチーム」のホームページ。「事業概要」のコーナーでは「子どもが被害者となる刑法犯認知件数の推移(平成12年〜16年)」「児童生徒に関わる不審者情報件数の比較(平成15年度/16年度)」「児童生徒に関わる不審者情報件数の内訳(平成16年度)」「児童生徒に関わる不審者情報件数の内訳(平成17年4月〜平成18年1月分)」などの統計データが提示されている。 これらの数字を改善すべく子どもの犯罪被害防止のための情報交換ができる場として開設。「お知恵拝借」コーナーは有識者からの「いただいた提言」、子どもの犯罪被害防止に関する「地域や学校の事例」、同「事業者や団体等のご協力やご支援」の取り組み、「子ども110番の家・車の紹介」などで構成。「資料の活用」コーナーでは、「地域安全マップ」教材ビデオ,防犯寸劇ビデオなどの動画やデジタル紙芝居「マッくんとプーちゃん夢の町3丁目」が視聴できる。また「市区町別事例集には各地で行なわれている子どもの犯罪被害防止に関する取組みなどがマップをクリックしながら参照できる。

【非行防止教室等プログラム事例集(文部科学省) 】
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/mondai04.htm
 平成17年1月に文部科学省のホームページに公開された事例集。総論編 「非行防止教室等の必要性」「非行防止教室等の現状等」。 実践編「学校」「教育委員会」「警察関係」「保護者や地域との連携」。事例編で構成されている。事例編は「地域団体等と連携して暴走族への加入の阻止を図る取組(中学校)」、「他人の物をとらないことや買い物のルールを体験的に学ぶ取組(小学校)」「地域の事業者等と連携して万引きの防止を図る取組(小学校)」「警察の委嘱による中学生ボランティアの取組成果を活用する取組(中学校)」「少年補導センターが生徒の協力を得て作成した教材を活用する取組(中学校)」「学校と保護司が非行防止教室をはじめ多様な形でかかわる取組(中学校)」「関係機関と連携し、交通違反や出会い系サイトでの被害の阻止等を行う取組(中学校)」「警察と連携し高校生ボランティアが中心となった規範意識啓発の取組(高等学校)」「生徒指導の体系化を図り、充実した非行防止教育を実践している取組(高等学校)」など18事例が紹介されており、PDFファイルでダウンロードできる。その他参考資料として「非行防止教室等に関する提言」や「学校が日頃から連携を行うことが望ましい主な関係機関」「少年事件の手続きの流れ」も参照できる。

【次代を担う少年の非行防止・保護活動の体験交流ガイド (警察庁)】
http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen22/
 警察庁のホームページのメニュー「生活安全の確保」の関連サイトで運営は(社)全国少年補導員協会が担当している。地域住民自らが「自分の地域の少年は自らが育てる」との意識を持って自発的な取組みを行うことが必要となっている今日、この取組みを目的に、警察本部長等の委嘱を受けて、少年の非行防止又は少年の福祉を図るための活動に当たる「少年補導員」等の民間ボランティアを総称して、「少年警察ボランティア」と呼んでいる 。本サイトはその活動ボランティアの方々の体験交流のサイト。コンテンツはすでに活動されている人がさらに活躍の幅を広げ、交流するための参考資料「活動事例1」(身近な地域社会における活動)、「活動事例2」(地域を越えた活動)。これから活動してみたい方等に地域ボランティアの概要や基礎知識を学んでもらう「研修資料」。ボランティアの方々から生の声を集め、ライフサイクルを紹介する「この人に注目!」などで構成されている。「活動事例」は「地域社会が一体となって取り組む少年育成活動」「担い手からみた特徴的な活動」「歓楽街対策」「サイバーボランティア」「被害少年サポーター」「他地域との連携」「企業社会との連携」などのコンテンツがある。

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