女性の再チャレンジ支援サイト
*コメント・URLは選考時のものです

選考者のつぶやき(財団法人AVCC 普及啓発部長 丸山 修)

 男女共同参画基本計画(第2次)概要「女性の再チャレンジ」によれば、"女性が政策・方針決定過程に参画し、活躍することを目指す「上へのチャレンジ」、従来女性が少なかった分野に新たな活躍の場を広げる「横へのチャレンジ」、子育てや介護等でいったん仕事を中断した女性の「再チャレンジ」を推進し、女性の新しい発想や多様な能力の活用により、女性が活躍し、男性もゆとりのある生き方を目指す、暮らしの構造改革を実現するための総合支援策を講じる。このためチャレンジしたい女性が必要な情報をいつでもどこでも入手することができるよう、情報提供システムや人的ネットワークを構築する"とある。

 また、安倍内閣も、いつでも「学び直し」ができる社会の構築を目指して、様々な施策を打ち出している。チャレンジのための学習支援システムの構築、専修学校を活用した再チャレンジ支援推進事業、社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム、国立大学等における再チャレン ジ支援・・・等、文部科学省の事業だけをとってもたいへんにぎやかだ。加えて厚生労働省の女性起業家向けメンター紹介事業、女性の起業支援専用サイト、農林水産省の人生二毛作やスローライフをうたう、農林漁業再チャレンジ支援ホームページも立ち上がっている。今回はそんな政策の中から生まれた再チャレンジ支援サイトにスポットを当て、国立女性教育会館、農山漁村女性・生活活動支援協会、内閣府男女共同参画局、ネットコミュニティ研究所が運営する5サイトを紹介する。




【女性のキャリア形成支援サイト】
http://winet.nwec.jp/career/
 (独)国立女性教育会館(NWEC)のサイト。女性がさまざまな新しい分野にチャレンジし、生涯にわたり、主体的に選択しながらキャリアを形成していくために参考となる多様な事例「ロ−ルモデル」、学習支援情報、関連情報等を提供しているほか、現在、内閣府、各地方自治体で、整備されている女性のチャレンジ・サイトの情報を横断的に検索できるなど、キャリア形成支援情報に特化。「分野で調べる」「事例(ロールモデル)を調べる」「サブメニュー 活動・職業の種類から調べる 産業から調べる」「テーマで見る」等、情報への入り口がいくつか用意されている。その他キーワード検索によるサイト内・関連ホームページの横断検索やリンク集も充実しており、リンク集は事例(ローモデル)を蓄積・公開している主要なサイトが網羅されているので、活躍している女性の事例を調べる上でたいへん便利。また、関連情報のコーナーは女性のキャリア形成に関連する講座・セミナー等の情報を外部機関が登録する仕組みになっている。「分野」としては「就職・再就職」「キャリアアップ」「起業・経営」「NPO・ボランティア」 「農業・自然環境」「地域づくり・政治参画」「国際的な活動」「研究者・技術者」の8カテゴリー。「活動・職業の種類」では「専門的・技術的職業」「管理的職業」「事務的職業」「販売の職業」「サービス・保安の職業」「農林漁業の職業」「運輸・通信、生産工程、労務の職業」「職業によらないキャリア」の8カテゴリー。テーマでは「理工系」「女性」「食」「子ども」に関わる仕事・活動の4カテゴリーが設けられている。キャリア形成の流れが分かりやすく整理されていて、自分の目標設定やキャリアの棚卸の参考にもなる。

【農山漁村女性のチャレンジを応援します】
http://www.weli.or.jp/
 専門家養成講座(ステップアップ−農村女性起業、グリーン・ツーリズム)、表彰/コンテスト、イベント・全国会議、出産・育児期女性農業者活動支援事業、交流サポーター等活動支援事業等に取り組んでいる社団法人農山漁村女性・生活活動支援協会のサイト。農林水産省の農業・農村男女共同参画チャレンジ総合推進事業の一環として作成した「農山漁村女性起業400選全国マップ」がネット上で紹介されている。これは農山漁村の女性たちの各部門にわたる起業事例を収録したもので、収録対象となった事例 は「農山漁村の女性が経営や運営に主体的・自立的に取り組んでいる起業事例(男性が代表者でも可、収入の多寡を問わない)」「女性の名義で収入を得ている事例」「今後継続的に起業を行うことが見込まれる起業事例」「各都道府県内における先進的モデル事例」「E-ビジネス等、特に今後の方向を示す新しい事例」など。 収録は平成17年6月下旬〜9月末にかけて行なわれ、18年3月に冊子としてまとめられ出版されている。事例の事業内容をみると、農産物加工、乳製品加工、水産加工、菓子製造、手工芸販売、鉢花経営、直販、委託販売、地場産品販売、朝市・青空市、食堂、喫茶店、農家レストラン、漁家レストラン、農家民宿、漁業体験民宿、観光農場、見学農場、郷土料理、伝統行事体験、農林水産業体験、消費者交流、食農体験交流、給食・施設への食材提供・・・等と実に多彩。全国9ブロック・各県あたり約10事例、合計423事例が紹介されているので、ヒントをもらって即視察に結び付ける等の活用が期待できる。

【女性いきいき応援ナビ】
http://www.gender.go.jp/re-challenge/index.html
   内閣府が運営する女性の再チャレンジ支援サイト。平成17年に制定された「女性の再チャレンジ支援プラン」に基づき、子育てや介護後の女性が再就職や起業等に再チャレンジするために必要な支援情報を総合的に提供することを目的したポータルサイト。再チャレンジ入門編のガイダンスによると、女性の再チャレンジ予備軍(就業希望者)は、25歳〜54歳で約245万人(17年度調査)といわれており、その中には、@これまで再就職をした経験のある女性や、求人情報や相談窓口を探して相談中の女性、A子育てが一段落した時のためにしっかりスキルアップをして将来の再就職の準備を計画的に行いたいという女性、B子どもが大きくなったら何かしたいけれど、漠然と何か始めなければとあせっている女性、C就業へのブランクが長くて不安や心の迷いが強い、また育児との両立方法に悩んている女性、D家族や周りの人の理解や協力をどう得ればいいのかわからない女性、など様々な状況にある女性が想定されている。そして入門編には「再チャレンジをするために自分と自分が置かれている状況を見つめ直す「自分を知るチェックシート」が用意されている。メインコンテンツは「再就職にチャレンジ」「在宅就業にチャレンジ」「起業にチャレンジ」「両立する(子育て・介護)」「学ぶ・スキルアップする」「相談する」で構成されており、各項目に「ガイダンス」「支援機関一覧」「ステップ」「WEBセミナー」「事例集」が続く。事例集には再就職や起業の体験が綴られているほか、起床から就寝まで毎日の生活サイクルを整理した「ワークライフタイムテーブル」が紹介されていて、女性の再チャレンジの厳しさがしのばれる。

【チャレンジ・サイト】
http://www.gender.go.jp/e-challenge/
 平成15年4月に発表された男女共同参画会議 基本問題専門調査会の提言「女性のチャレンジ支援策について」の中で指摘された「チャレンジ支援のためのネットワーク形成の重要性」および「関連情報のワンストップ・サービス化、ネットワーク化」を受けて開設された内閣府男女共同参画局のサイト。提言では、国による女性のチャレンジ支援関係施策の情報を総合的に提供するため、関連府省が連携・協力し、情報提供システムを構築するとともに、地域においては、男女共同参画センター・女性センターを中心に複数の支援機関から構成されるネットワークを構築することとされた。こうした指摘をコンセプトに本サイトでは、「働く」「まちづくり」「キャリアアップ」「ボランティア」「起業」「研究」「NPO」「国際」「農林水産」「育児介護」・・・以上10個のチャレンジテーマを設定、テーマごとに情報提供機関、学習機会提供機関、相談機関、就業支援機関、資金支援機関等の支援機関やチャレンジ事例を紹介している。全国の地域版チャレンジ・サイトの紹介のページから各都道府県等の地域チャレンジサイトへ飛ぶと、ここでも同じ構成で情報がネットワーク化されているほか、関係省庁系の「拠点施設紹介」、 関係省庁の施策をまとめた「チャレンジ支援策コーナー」 、地域のニュースや講座にリンクする「地域からのお知らせ」等々、文字どおり、女性の再チャレンジ支援の情報提供のワンストップ・情報ハブを形成している。

【わたしと起業.COM】
http://www.watashi-kigyou.com/
 厚生労働省雇用均等・児童家庭局雇用均等政策課 厚生労働省雇用均等・児童家庭局の委託を受け(株)ネットコミュニティ研究所が運営するサイト。主なコンテンツは(1)女性の起業家情報、(2)起業講座、(3)起業お役立ち事典、(3)メルマガ講座の4つ。起業家情報は、業種別(27分類)、年代別(20代〜/60代〜の6分類)に整理され、 現在30人(8月10日現在)が登録されており、今後も逐次更新される。起業家講座は「棚おろし」「自分の強み弱み」「起業までの道のり」の3項目についてをネットで診断してくれる。お役立ち事典には、「起業の前にチェックすること」「事業計画を立てるため」「会社設立と開業」「経理・財務」「税金」といった実務的な学習内容となっている。また、メルマガ講座は、登録すると起業までに必要な基礎知識を段階的に学ぶことができるよう、カリキュラムに沿って、毎週1回、半年間26回のメルマガが配信される。先輩起業者の事例情報としては、起業したときの状況(仕事の経験を生かした/生かさなかった、結婚していた/していない、 子どもがいた/いなかった)、起業年表(最初の就職から起業までの歩み) が共通項目として紹介されている点や起業のポイントとして、起業のきっかけ、動機、起業までに準備したこと、起業時に一番苦労したこと、だからうまく起業できた!…その一番の理由、起業時の環境(友人や家族の協力他)、最初のお客さんと営業方法、起業の際の重要ポイント、役に立った情報源や相談先、開業資金、活動拠点(事務所・店など)、起業時の管理体制の整備(税理士、弁護士、弁理士など)、起業後の転機、起業して自分が成長したと感じたこと、起業を志す人への一言アドバイス、気分転換のしかた、その他伝えたいことなど・・・等が手身近に紹介されていて分かりやすい。

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