自己判断時代の生涯学習を支援するeラーニング
*コメント・URLは選考時のものです

選考者のつぶやき(財団法人AVCC 普及啓発部長 丸山 修)

 今回は、「社会教育」と「インターネット市民塾」が10月1日から1ヶ月限定で行う本邦初の「オクトーバー・ラーニング」に因み、全国の生涯学習機関のなかでeラーニングを提供しているサイトを5つ紹介する。

 goodsite運動では、これまでも愛媛県、岡山県、鳥取県などの生涯学習センターやひょうごインターキャンパス等を選んできたが、久しぶりに全国のサイトをチェックしてみると新設されたり、リニューアルされたりして学習コンテンツの動画配信が増加している。

 京都生涯学習推進ネットワークでも10月15日からビジネス英語のeラーニングがスタートする。世界トップクラスのIT先進国?の一面はこんなところに現れているのか。最近、「生涯学習に関する世論調査」(内閣府2005/7)、「ユーキャン生涯学習アンケート調査」(2004/12)、「県民の生涯学習に関する意識と参加行動の調査研究 中間報告書」(青森県総合社会教育センター2005/3)などで読んだ範囲では、一般的に参加しやすい生涯学習の方法は集合型の講座やサークル活動だが、たくさん学習してもらうには、本やインターネットやテレビによるンテンツの提供が有効、という事実が存在する。だとすれば自己判断、自己責任時代のキャリア形成・人間力づくりには、まだまだ多くのコンテンツの発信が必要なことを改めて痛感する。


【e−夢・まなびと(福島県教育委員会)】
http://manabito2.fks.ed.jp//eyume/home/top.aspx
 「ふくしま学習空間・夢まなびと」実施本部が主催する講座の一つ。インターネットでビデオ配信されているので、自分の好きな時間に学習できる。スタートは2004年9月。現在、5講座が公開中であり、各講座は1回概ね20分の学習コンテンツにまとめられ、各回はさらに1ユニット2分程度の講義に整理されている。メニューには「現代的課題を学習する講座」シリーズと「地域のすがたを学習する講座」シリーズ があり、前者には「人権を考える講座 〜愛する人が・・・家族に起こりうる人権問題〜」(全5回)、「こすもぽりたん講座〜真の国際交流を目指すあなたへ〜」(全5回)、「心と体を考える講座〜今から始めよう!心と体の健康づくり〜」(全4回)、「暮らしの安全を考える講座 〜えっ、まさか!食品表示から振り込め詐欺まで〜」(全4回)の4講座(18回構成)がラインナップされている。一方「地域のすがたを学習する講座」シリーズ は「水環境の保全と水質調査」「レクリエーション活動のテクを学ぼう」「サンマが証すいわきの食文化」の3講座(3回構成)。因みに集合型講座については「ふくしま生涯学習アベニュー」から「夢まなびと講座」「まなびとオリオン講座」「連携講座」などに案内される。

【ユー・アイふくい インターネット放送局】
http://www.manabi.pref.fukui.jp/you-i/kouza/index1.htm
   福井県生活学習館「ユー・アイふくい」のホームページでも平成16年度事業で、郷土学習講座をビデオ収録し、インターネットに公開している。メニューは以下の6シリーズ16タイトル。(1)ふるさと自然 植物を楽しむ「食する楽しみ 食への誘い 春の野に若葉摘む」「つくる楽しみ 身近にある素材で花をデザインする」「育てる楽しみ コンテナガーデンやハイキングで飾りながら育てる」。(2)ふるさとの歴史 ふるさとの街道と宿場町「古代北陸道と人やものの動き」「中世北陸道と関所」「近世の北陸道をめぐる文化」「近世敦賀・小浜と”茶街道”」。(3)ふるさとの文化「嶺南の言葉と語源を探って」「文学作品に表れたふくいの言葉」「福井の言葉(福井弁)を大切に〜民話の収集を通して〜 」。(4)ふるさとの伝統工芸講座「宮廷の食を支えた”御食国若狭”その歴史と伝統工芸」「漆黒に煌めく模様”若狭塗り”その歴史と技法」。(5)ふるさとの産業「我が社の環境経営の創意と工夫」。 (6)ふるさとの展望「若者の職業観」「福井の企業経営の諸問題」「高齢化社会時代を生きる私たちの暮し方」。PDFファイルでレジュメをプリントアウトできるものもあるが、 さらなる学習者への配慮を期待したい。

【ひょうごふるさと文化情報(兵庫立嬉野台生涯教育センター)】
http://www.hyogo-c.ed.jp/%7Eureshino-bo/action_program/furusato.htm
   兵庫県では平成14年度より「ふるさと文化アクションプラン」を実施している。これは子どもたちにふるさとに関する学習活動や体験活動を提供する「ふるさと学舎」を市町に開設し、地域の歴史・文化・自然に関する学習活動や伝統芸能や行事など、地域に根ざした体験活動を提供するプロジェクト。「ひょうごふるさと文化情報」のページでは、このプロジェクトの一環として県内各地に受け継がれている伝統文化や暮しなどを映像アーカイブし、インターネットで公開している。コンテンツは(1)「歴史と遺跡」には兵庫史のあけぼの、姫路城の美など5作品。(2「祭りと伝統芸能」には淡河神社「御弓神事」、長田神社古式追儺式、上食満稲荷神社の獅子舞、宝山寺のケトロンまつり、岩屋神社の「おしゃたか」、大蔵谷獅子舞、蓮花寺の鬼踊り、朝光寺「鬼追踊」など16作品。(3)「伝統技術と産業」には有馬人形筆、名塩紙など7作品。(4)「風土と暮らし」には、くにうみの詩など3作品。全部で31作品。各作品は5分程度のビデオクリップにまとめられており、大人も学習コンテンツとして楽しめる。

【かがやきネットやまぐち ネット村塾(山口県生涯学習推進センター)】
http://www.kagayaki.pref.yamaguchi.lg.jp/
 山口県生涯学習センターでは平成16年度より生涯学習情報システムを全面リニューアルし、「かがやきネットやまぐち」として情報発信している。「ネット村塾」はその中心メニュー。現在、「食と健康」(17講座)、「子育て」(10講座)、「ボランティア」(3講座)、「山口文化維新」(4講座)の4分野・34講座が公開中。各講座ともタイトル、講師、撮影日、視聴時間、短い紹介文があり利用者には親切。長い講座は分割されていて、視聴時間は1回あたり各10分〜30分。ただし、登録会員制なので利用するには、Web上で登録し、ユーザーID・パスワードを取得する(後日郵送される)必要がある。「山口は女王国の西端であるという新説を発表」したという「古代の山口はブランド品がいっぱい」(奈良大学前学長 水野正好)、「日本捕鯨・長州捕鯨の歴史と文化」(長門市くじら資料館前館長 白石政人)、「長州捕鯨から近代捕鯨へ〜鯨産業史の中での下関の役割を中心に」(下関市農林水産部水産課主任 岸本充弘)などかなり専門的な講座もある

【おおいた県民アカデミア大学 インターネット講座】
http://www.oitalll.jp/kenmin/index.html
 大分県立生涯教育センターが平成16年6月からインターネット講座の運営を開始した。平成17年度は地域学A(自然:大分の温泉通になるためになど)、地域学B(文学:万葉を訪ねて)、現代学A(情報通信と国際交流:電子ブックとは何かなど)、現代学B(大分生活考:日本古代中世から学ぶ環境歴史学など)、現代学C(時事問題:こころざしが社会を変える〜NPOの可能性〜など)の5コースが開設されている。各コース定員60名。各コースとも8月〜2月まで毎月1回づつ、合計7回の講義がアップされる。1回あたりの講義時間は約1時間だが、学習者の集中力を配慮し、15分もの4本にして提供。全講義が終了すると終了書が発行できる。本サイトはeラーニングの標準化された規格であるSCORMを採用しており、主催者側で受講者の履歴管理がされている。したがって、受講するにはネット上の登録画面で、希望するコースをチェックするなど申請手続きが必要。生涯学習機関が提供する初のSCORM対応eラーニングとして注目される。

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