テーマ「考える力」を学習し、トレーニングするサイト
*コメント・URLは選考時のものです

選考者のつぶやき(財団法人AVCC 普及啓発部長 丸山 修)

 ビジネスマンが日常的に仕事をする上での重要な能力として「考える力」があげられる。今回はその「考える力」に関してWeb上で学習やトレーニングを提供しているサイトがどのくらいあるのかを改めてブラウジングし、5サイトを選定した。

 具体的な技術や知識は業種や職種、あるいは社会の変化や技術革新によっても変化するので、定期的かつ継続的にフォローアップし、陳腐化を防ぐことが求められる。

 一方、社会人、職業人の基本的な生きる能力として、最近、思考力、論理力、コミュニケーション能力、判断力、リスク分析力、問題発見力、問題解決力などが改めて注目度を増している。これらの能力も日頃から鍛え、訓練していないと、いざ、というときに対応が覚束ない。

 今回、取り上げた5サイトは、学習不精のビジネスマンでもインターネット上で、気軽に考える力を養い、トレーニングしてくれる、便利で貴重なサイトである。問題にトライすることで脳細胞が活性化し、考える力がついた気に一瞬なるのだが、本当の力は、ネット上だけではなく、現実の日々の仕事の中でしか身につかない。それでも、学習やトレーニングは心に栄養を与えてくれる。


【かんきビジネス道場】
http://doujou.kanki-pub.co.jp/
 ビジネスパーソンに必須のスキルを書籍とWebを使って学ぶeラーニング講座を提供している「かんきビジネス道場」のサイト。管理職・リーダー層、中堅層、新入社員向けに開設されている講座(有料)の詳細案内があり、ネット上から申込める。そしてその一部がネット上から無料体験できる。「思考力を鍛える」講座シリーズの「問題解決力を鍛えるコース」「論理力を鍛えるコース」「<意志伝達編>論理力を鍛えるコース」の体験学習に進むと、はじめに「学習のねらい」を学習する。続いて基礎編5問、演習編5問により思考力が試される。解答方式は選択式のほか、一部記述式もある。設問の趣旨や正解・誤答の解説があり、問題解決力や論理力のトレーニングとして使いやすく、判りやすい仕組みと内容で注目される。また、「コンピテンシーサーベイ」のメニューでは、個人向けのコンピテンシー診断が公開されている。設問・解答は4択式・40問。6つのファクターについて、各6段階で自分の強みと弱みが分析され、その結果から用意されている講座がナビゲーションされる。因みに現在、次のコースが募集されており、学習開始は毎月1日からとされている。ビジネスプラン策定シナリオコース/ 参画型経営戦略策定シナリオコース/会社の基本数字が身につくコース/原価管理と利益管理の基本が身につくコース/決算書と経営分析の基本が身につくコース/仕事の基本マスターコース/仮説提案型営業が身につくコース/論理力を鍛えるコース/戦略構想力を鍛えるコース/問題解決力を鍛えるコース/ <意思伝達編>論理力を鍛えるコース。

【ロジカルスキル研究所】
http://www.logicalskill.co.jp/
  企業や大学でテクニカルライティングや論理的思考法、ディベート 、プレゼンテーションなどを指導している倉島保美氏の個人ページ。「ロジカルスキルとは」「日本語ライティング」「英語ライティング」「ディペート」「ロジカル・ネゴシエーション」「論理的思考」「プレゼンテーション」の7項目で構成されている。倉島氏によるとロジカルスキルは「思考(Thinking)」「構成(Organization)」「伝達(Communication)」からなり、思考と構成にまたがる領域に「論理的思考」が位置する。思考と伝達にまたがる領域には「ディベート」「ロジカル・ネゴシエーション」が位置する。また、構成と伝達にまたがる領域には「プレゼンテーション」「テクニカルライティング」(日本語・英語)が位置しており、それぞれの能力を高めることでビジネスの力がつく。「論理的思考」の内容は「イントロダクション」「ポイント」「演習」「学び方」で構成されていて、「演習」項目にある「個別演習」には「キレるのは食生活が原因?」「行き過ぎた漢字制限はやめるべし?」「『20代の税務署長』おかしい?」など、論理的思考をトレーニングする問題が10問と解答が用意されている。トライしてみると普段いかに自分が論理的思考をしていないかに気づく。「ディベート技術入門」の「立論のたてかた」「尋問のしかた」「ディベート技術応用」の「反駁/反論の練習」も力をつけてくれるのでは。

【仕事の図解屋】
http://www.teoria.co.jp/
  仕事の改善と仕組み創りを行う(有)テオリアのサイト。代表取締役の池田秀敏氏は販売管理・顧客管理システムの開発などに従事したあと独立。仕事をコンピュータシステムの視点で見つめ、誰でも意見が言えるような明快な図解にして、仕事の改善と新しい仕組み創りを提案し、かつ具体的に実行するプラン作りを応援するビジネスを立ち上げた。仕事の図解をすると仕事の全体が見えやすくなり、ビジネスの良さを伝えやすくなり、商品やサービスを売りやすくなるという。ホームページには「この仕事のキッカケ」「どの会社にもある困った」「指示通り動かない部下」「仕事で問題が発生する原因」「仕事の図解化の考え方」「図解の企画書が必要な訳」「事業計画書ありますか?」「改善はどの会社でも重要」「新規事業に取り組むと」「仕事の図解サンプル集」などのノウハウが、まさしく図解されて公開されている。「仕事の図解サンプル集」にある各種企画書、提案書のサンプルも参考になる。

【@IT自分戦略研究所】
http://jibun.atmarkit.co.jp/
 アイティメディア(株)が運営する、IT技術者を対象とした転職やキャリアデザインのサイト。「自分戦略研究室」「キャリア実現研究室」「スキル創造研究室」の3つの研究室と「会議室」で構成されており、「会社などに任せず、キャリアやスキルを自分自身で考えていく」という自分戦略のコンセプトに基づき、スキルアップやキャリア構築に役立つ記事が毎週公開されている。また、無料のサービスメニューには「ITトレメ」「ラーニングカレンダー」「3分でできるストレスCheck」などがある。「ITトレメ」は、テーマごとの模擬試験問題が、土日祝日などを除く毎日1問ずつメールで配信され、正解・不正解はサイトですぐに確認できる。配信される分野は、「データベース」「ネットワーク/インターネット」「OS/プラットフォーム/システム 運用」といったIT関係のほか、「ビジネス/情報マネジメント/英語」があり、過去の問題や解答、解説などもサイトで学習できる。

【@IT情報マネジメント−問題発見能力を高める−】
http://www.atmarkit.co.jp/fbiz/cinvest/serial/expert/
 アイティメディア(株)が運営するサイト。『@IT情報マネジメント』は企業を対象に「IT戦略と投資」や「ITスタッフの育成」「企業の情報システムの構築や運用」に関する課題を取り上げ、その問題解決をテーマに情報提供を行っている。記事連載のなかに、「情報エキスパート」が持つべき視点や考え方を問題発見力の強化を中心に全9回、1年3カ月にわたって解説した、秋池 治氏(リアルナレッジ 代表取締役)執筆の「問題発見能力を高める」がある。第1回 「その“ソリューション”は本物か?」から最終回 「“そんなむちゃな!”に対応できる柔軟な発想力とは」まで、各回読み応えがある。因みに「情報エキスパート」とは「問題を抱えている社内外の顧客にソリューション(問題の解決)を提供する人材」とか。また、芳地一也氏(グロービス・マネジメント・バンク、コンサルタント)が兄弟サイト『@IT自分戦略研究所』に全8回にわたり連載した「<問題解決力>を高める思考スキル」も注目される。@IT自分戦略研究所は自分のキャリアを切り拓いたり、開発現場で直面する「問題解決」にも役立つスキルを学習する情報サイトに位置付けられている。コンテンツを見るには「スキル創造研究室」のビジネススキル関連記事インデックスからアクセスできる。

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