テーマ 「生きること働くこと 夢のある仕事」
*コメント・URLは選考時のものです

選考者のつぶやき(財団法人AVCC 普及啓発部長 丸山 修)

 仕事についての考え方や生き方について、ちょっと間口を広げてみると職業の選択肢は随分拡がるように思う。そんな ことで今回は職人や食人、漁師や農業にスポットをあててみた。とはいっても、何事も一人前になるには努力 と忍耐は欠かせない。楽しいだけでは決してない。

 最近「環境」と「働くこと」を結びつけた「グリーン雇用」という考え方が若い人を中心に広がりを見せ始めているとか。農業や林業への就業、自然保護や環境保護の国際的なNGO活動、地域のNPO活動などに働く場、生きる領域を見出す脱サラ派や若者が登場し、少しずつに広がりを見せている。スローライフや田舎暮らしも注目されるようになったがその一方、都会の廃校を地域再生の拠点にし、デザインや創作活動などを地場産業や観光の目玉しようとする動きもでている。都会と田舎のそれぞれが持ち味を生かし、子どもたちや若者に魅力的な働く場を増やし、多様な生き方を情報提供してくれることを期待したい。




【福島卓越技能ガイド】
http://www.pref.fukushima.jp/syoko/roudou/takuetsuginou/index.html
 福島県商工労働部技能振興グループのページ。「住」(18職種)「衣」(2職種)「食」(3職種)「飾」 (5職種)の4ジャンル、28職種(職人)について「仕事の内容」「職人の道具」「こうしてプロになった職人への道筋」「達人の技を見てみよう」「職人列伝」などをまとめ、ものづくりの魅力と県内でで活躍している卓越技能者を紹介している。今後はホワイトカラーではない「職人」や「技能士」にスポットを当てている点が注目されるが、すでに社会的な評価が定着している旧来の職人の世界にとどまらず、社会の多様化に伴って新しく誕生している「職人」へと「卓越技能」の対象を是非拡大して欲しい。

【世田谷ものづくり学校】
http://www.r-school.net/
   イデーアールプロジェクト(株)が運営する民間初となる廃校利用跡地再生プロジェクト、 IKEJIRI INSTITUTE OF DESIGN(世田谷ものづくり学校)のWebサイト。同プロジェクト は統廃合に伴い廃校となった旧池尻中学校の校舎を、同社が一括して区から借り受け、 入居者を募集。建築やプロダクト、映像などのオフィスとして、また、若いクリエイター の創業支援オフィスとして利用している。建物内にはギャラリーやカフェもあり、そこに 集う人々が相互に刺激し合うなかで新たな才能が育っていくクリエイターズビレッジである。 地域還元プログラムとしてワークショップや若年層・女性の就業支援講座、子供向けのイベ ントなども随時開催されている。入居企業が協力した大学生の企業体験型インターシップ やファッションショー体験などはものづくりやクリエイター指向の若者の就職活動や就業 意識形成の支援プログラムとしても注目される。 (http://www.city.setagaya.tokyo.jp/topics/kougyou/fashion.htm)

【モクモクネイチャークラブ(食農 学習ファーム)】
http://www.moku-moku.com/syokunou/index.html
   「農業学校」「ものづくり学校」「伊賀自然学校」の3つの学校機能をもつモクモクネイチャークラブの食農 学習ファームのページ。親子や子どもを対象に「1泊2日〜受講コース」「日帰り受講コース」「2回以上受 講コース」などのプログラムが用意されている。受講料はいずれも有料。「農業学校」のプログラムには、ま るごと酪農体験記、豆豊(とうふ)・発芽味噌づくり塾、米づくり塾、秋のまるごと農場体験記などがある。 「ものづくり学校」には、とろ〜りカマンベール塾 、ベーコン塾などがあり、ハム・ソーセージの職人、パン の職人、ビールの職人、牛乳職人、チーズ職人などを準備中。いろいろなものづくりの職人たちの技と心にふ れ、搾りたての乳や肉、麦がどんな風に製品になるのかを学び、その一部を自分の手で体験できる。食育を ベースにしたものづくりや職業の世界の体験学習はなかなか魅力的だ。

【漁師になりませんか】
hhttp://www.zengyoren.or.jp/syugyo/
 沿岸漁業就業者確保育成センター(全国漁業協同組合連合会)のページ。漁師になるには、求人情報、漁業体 験情報、支援制度、相談窓口、日本の漁業紹介、若手漁師の体験レポートなどで構成されている沿岸漁業就業者のポータルサイト。「漁師は減っているが、簡単にはなれない」「沿岸漁業は多種多様」「家族経営が主体」「簡単に独立は出来ない」「住むところは漁業をするところ」「漁協の組合員になるには」など厳しい項 目が目を引く。体験レポートでは、Iターンで漁業の現場に飛び込んだ、若手漁師5人の体験が紹介されてい るが、不安と悩みを乗り越えて一人前の漁師を目指している姿は感動的。 定置網、中型まき網、養殖、小型底 曳網、船びき、ごち網、一本釣り、イカ釣り、刺し網、流し網、採貝/採藻、かご、たこつぼ ・・など漁法も 紹介されている。

【エコ就職ナビ】
http://www.aseed.org/econavi/index.html
 エコ就職ナビとは、2001年12月にオープンしたウェブサイト。環境・人権に配慮した就職・転職を考える学 生・社会人を応援するために、国際青年環境NGO A SEED JAPANが運営している。「環境」と「働く」ことを結 びつけた「グリーン雇用」という言葉が注目されている。エコ就職体験談には、国際的に活躍する環境NGO、人 権NGOや政策提言型NGO、有機農業実践者、地域づくりNPOの人など「グリーン雇用」の実践者が紹介されてい る。中でも、いまや自給率が0パーセントとなった日本綿の栽培・加工に取り組み、綿を育てて服にするまで のワークショップなどを実施している千葉県の鴨川和棉農園(http://homepage2.nifty.com/wamen-nouen/)代 表の田畑健さんや東京都練馬区などで体験市民農場「大泉 風のがっこう」「特定非営利活動法人 畑の教 室」(http://www.hatakenokyoshitsu.org/)を主宰する白石好孝さんなどの人生は、「グリーン雇用」を超え て注目される。

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