2004年7月「eカレッジ・eスクール」
*コメント・URLは選考時のものです

選考者のつぶやき(財団法人AVCC 普及啓発部長 丸山 修)

 今月はWeb上で学習機会を提供している「eカレッジ・eスクール」を選定した。
 当方(AVCC)でも7月末に「しごと力向上教材ガイド(http://www.kyouzai.info/)」を仮オープン。仕事の力をつけるためのパッケージ教材やeラーニングのポータルサイトをめざしている。
 今回、防災や危機管理、介護や看護などの「しごと力」をトレーニングするサイト、マナーや外国語会話を レッスンするサイトを5サイト選定してみた。IT系を別にすると、わが国にはまだまだ、仕事や職業の能力を セルフ学習できるサイトは少ない。
 政府では全国でジョブカフェ(若者を対象にした就業支援のワンストップ・サービスセンター)を設置し、 適性診断や職業紹介データベースの提供、専門家によるカウンセリングなどを行なっているが、企業側の求人ニーズとの マッチングを行うには、学習や訓練機会の提供、自宅や公共施設でできるeラーニング教材の開発・提供が急 務となっている。


【防災・危機管理 e-カレッジ】
http://www.e-college.fdma.go.jp/
 この「e-カレッジ」は、総務省消防庁が平成16年2月20日から運営を開始した。地域の住民、地方公務員、 消防職員、消防団員などを対象にしており、いつでも、誰でも、無料で学習できる。コンテンツはレッスン 単位ごとに動画やアニメーション、音声ナレーションで簡潔にまとめられている。ナレーションはテキスト 表示もあるので、音声をオフにすることも可能。前後のレッスンヘの移動はビュワー内にデザインされた「戻 る」「進め」ボタンで行けるので操作性はいい。コンテンツは「基礎を学ぶ 」(住民の方向け) が5コース (災害の基礎知識コース/災害への備えコース/いざという時役立つ知識コース/地域防災の実践/災害時ボラ ンティア実践コース)。「地方公務員の方へ」が3コース(災害の基礎知識/災害への備え/いざという時役 立つ知識)。「深く学ぶ」(大学の先生等から災害について学ぶ) が7コース(地震対策/津波対策/火山対 策/水害対策/土砂災害対策/市民防災/災害情報)。各コースの最後にはテスト問題があり、正解率が高いと 終了証書をセルフ発行できる。その他、市民向けの「大地震を3日間生き延びる!」公務員向けの「大地震 に備えた責務」など充実している。

【e-ケアタウンプロジェクト】
http://www.e-care-project.jp
   2002年、藤沢市は総務省「e!プロジェクト」の介護福祉分野の実証実験実施 地域に選ばれた。看護と介護がゆきわたり、安心して暮らせるまちづくり をめざした6つのプログラムは、今後、急速に進む高齢化社会を豊かにくらすための ITの利用・運用技術としてたいへん注目される。「1.e-ヘルスアッププログラム」 「2.e-ファミリーケアプログラム」「3.e-介護プログラム」「4.e-専門家スキル アッ プ講座プログラム」「5.e-市民健康講座プログラム」「6.e-ケア情報セキュリティ プログラム」。基本的に、トレーナーと健康維持・向上に取り組む中高年層の市民、市内の高齢者とケアスタッフ、家族とケアスタッフ等の間のコミュニケーションや、さまざまなデー タをやりとりする仕組みが、IPv6技術を導入して試行されている。また、ビデオ コンテンツとして、「e-介護プログラム」は高齢者のための食事ガイドや転倒 防止のビデオ講座、 「e-専門家スキルアップ講座プログラム」ではホームヘルパー2級 者を対象にしたビデオ講座、「住宅環境シリーズ」全2回、「外出支援シリーズ」全2回、 「入浴介護シリーズ」全4回を公開。「e-市民健康講座プログラム」は、市民が健康に関する知 識を手軽にいつでも学べるような環境作りを目的として、慶應義塾大学看護医療学部が中心 となって運営しており、〜5分で学べる健康講座〜 として「胃を大切にしよう」「日本 人の胃が危ない?!」「 話を<聴く>こと」「筋肉と健康 」「感染症とその予 防 」「流産を経験したカップルへの援助」「ストレスとうまく付き合おう」の 7つのトピックが公開されている。

【せたがやeカレッジ】
http://setagaya-ecollege.com/
   本サイトは世田谷区内の私立大学4大学と世田谷区教育委員会が連携して区民等の生涯学習を支援する学習講座サイト。平成16年度は実証実験期間としている。講座は、教育委員会と4つの大学がそれぞれ得意の講 座を提供しているので、内容はさまざま。受講料は講座ごとに有料または無料となっている。提供されている コンテンツは、世田谷区教育委員会「家庭からはじめるネット安全学級」〜親から知ろう、ネットとの安全 なつきあいかた〜」(インターネット6回、無料)。国士舘大学「サンゴの海は今 −サンゴ礁の自然と環 境の悪化−」(インターネット4回、無料)「Save the life」(インターネット3回、スクーリング3回、 有料3000円 )。駒沢大学「簡化太極拳」(インターネット5回、スクーリング1回、無料)「ブランドの マネジメント」(インターネット3回、スクーリング1回、無料)。昭和女子大学「日本の名城の魅力−姫 路城−」(インターネット3回、無料)。東京農業大学「食品廃棄物のリサイクル」(インターネット5 回、スクーリング1回、無料)、「味噌を家庭で造ってみよう」(インターネット4回、無料)、「癒しの 園芸」(スクーリング2回、実費。インターネット2回、無料)、「食べ物と健康」(インターネット5 回、無料、スクーリング2回、別途)となっている。学習は利用者登録をしてマイページを通じて申し込み 等を行う。

【e-AIDEM これで安心!! マナー講座】
http://www.e-aidem.com/plan/manner.htm
 新聞折込求人紙「しごと情報AiDEM」を発行する株式会社アイデムのサイト内にある。社会人の初歩的なマナーを12のトピックにやさしくまとめている。レッスン1「マナーの原点は古代エジプト」、レッスン2「名 刺は心から心へ渡すもの」、レッスン3「長いすでクレオパトラは横になる」、レッスン4「茶わんの絵柄はお 客様の正面に」、レッスン5「タクシーの助手席は雑務を行う席」、レッスン6「電話の第一声で「もしもし」 は使わない」、レッスン7「あいさつは、すべての人間関係の始まり」、レッスン8「紹介は“目下の者を目上 の人に”が原則」、レッスン9「コートや手袋は受付を通る前に脱ぐ」、レッスン10「会議室、応接室のノック は3回が基本」、レッスン11「電話のベルは3コール以内で取る」、レッスン12「役職名に「さん」は不要」。

【高電社e-School】
http://www.j-server.com/school/index.html
 株式会社高電社が運営するサイト。楽しく学習をするためのホームページをモットーに「初めての韓国語講座」「初めての中国語講座」「初めての英語講座」の3カ国語について初歩的な練習ができる。「初めての 韓国語講座」は基本単語(ゼロ〜十、百、千)、基本文例(こんにちは、さようならなどの挨拶)、基本会 話文例(自己紹介、天気、体調、食べ物、買い物など)で構成され、クリックすると韓国語の音声が流れ る。文字と会話の初歩的な学習が体験できる。「初めての中国語講座」の各地の中国語ミニ会話では、北京 語、上海語、台湾語、広東語の4つが比較できる。「初めての英語講座」は韓国語と同様、基本単語、基本 文例、基本会話文例が体験できる。

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