2004年11月「ジョブカフェ」
*コメント・URLは選考時のものです

選考者のつぶやき(財団法人AVCC 普及啓発部長 丸山 修)

 ユーキャン「気になることば」11月の月間ランキング7位に「ニート」が入っているが、「ジョブカフェ」は残念ながら月間ランキングにも、流行語大賞にも入っていない。それでも、結構耳にする機会が最近多くなっている。それもそのはず、内閣府、経済産業省、厚生労働省、文部科学省が若年者の就業支援として、このワンストップサービス拠点整備を中心に平成16年度、関係府省全体で約500億円を投じているのだから・・・。

 現在、全国の47都道府県のうちジョブカフェが設置されているのは44都道府県。このうち経済産業省が15箇所をモデル地域に指定。e-ラーニングや地域の産業事情に対応した若年者就業支援や能力開発支援に取り組んでいる。

 しかし、学習サービスのコンテンツは、本来、汎用性が高いものが多いにも関らず、地域に囲い込まれている感が無きにしもあらずでは。国費を投じているのだから、どこの住人だろうとe-ラーニングならサービスを受けられる仕組みづくりが求められる。英国のラーンダイレクトのように。


【北海道若年者就職支援センター(ジョブカフェ北海道)】
http://www.jobcafe-h.jp/
 ジョブカフェ北海道は、テレビスポット「カフェではじめる就職活動」の映像に象徴される、本物のカフェ のように明るく、オープンな空間で、コーヒーを飲みながら、情報の閲覧やキャリヤアドバイスを受けられ るところ。就職活動をする若者に明るさと元気を与えてくれる環境デザインがセールスポイント。とはいっ ても北海道は広いので札幌に設置されたセンターに来所することが難しい人たちへのサービスも重要。この ため函館・旭川・釧路・帯広・北見の五箇所にサテライトを設け、予約制でテレビ電話による相談業務を 行っている。また、札幌や五箇所の地方拠点から離れた地方に住んでいる人のために、メールによるアドバ イスのサービスも行っており、幅広いサポート体制が組まれている。センターでのキャリア・アドバイスに はどんな相談からも始められる「個別ピンポイントサービス」と1コース10時間の総合的な支援を受けら れる「フルコースサポート」があり、専門のキャリア・アドバイザーが対応している。

【ジョブカフェあおもり】
http://www.jobcafe-aomori.jp/
   青森県若年者就職支援センター(愛称:ジョブカフェあおもり)」は、行政と地域の企業・学校等の幅広い連携・協力により、学生・生徒、フリーター、30才未満の失業者等の若年者に対する職業や能力開発、創業支援に関する情報提供、インターンシップ等の職場体験機会の確保、キャリアコンサルティング、就職支援サービス等による、若年者の就職活動支援の拠点。職業人取材事業は、高校生がチームを組み、県内事業所を訪問の上、職業人の実態を取材し、『ワークわくあおもりJobネット』に掲載するという学校とジョブカフェの連携事業。現在18チームが取材した30事業所の職場体験レポートが掲載されている。また、ジョブカフェ体験事業では中学生、高校生の職業意識の向上のため、ジョブカフェあおもりの各コーナーを体験してもらうイベントを行っており、パソコンによる職業適性診断などを実施している。弘前市、八戸市、むつ市に設置したサテライトスポットからはテレビ会議システムにより個人や企業等の相談にも対応。

【ジョブカフェいわて】
http://www.jobcafe-i.jp/
   「じぶんナビ」というサービスがユニークで面白そう。就職活動に必要なのは 「自分を知ること」「自分をアピールすること」「自分を磨くこと」ということで、 これらの就職準備を「じぶんナビ」システムが強力にバックアップする。自分の履歴 書・職務経歴書情報をシステム上に管理し、必要に応じて修正や印刷ができる「電子 履歴書」。適性・適職診断をしてくれる「社会人準備度チェック診断」。自分のデー タを入力すると、グラフィカルにレイアウトされた「自己アピール」がワードの書式 で出力できる「自己アピール」。自分の生い立ちを世の中の出来事と照らしあわせな がら整理してくれる「自分史」。希望職種に対するスキル充足度を診断する「スキル チェック」。ビジネスマナーやWord・Excelなどが学習できる「e-ラーニング」と機能 が多彩で充実している。このeラーニングのメニューとして『いわてJobストーリー【 入門編】や【実践編】』が加わり、「歴史」「環境」「好奇心」「思いやり」「志」 をキーワードに、県内の魅力あふれる産業を紹介する。"夢いだけ二十歳の夏の離職 票"という時節の句もあるスタッフ・カウンセラーのリレーコラムも面白い。

【JOBカフェOSAKA】
http://www.jobcafeosaka.jp/
 イベント、セミナー、講座情報が充実しているのに加え、大阪はe-ラーニングサービスも充実している。提供されている教材は【マーケット分野】が「ケースで学ぶマーケティング入門」(20時間)「経済指標」(5時間)「キーワードで学ぶ経済I」(5時間)「キーワードで学ぶ経済II」(5時間)「業績アップに活かす財務諸表の見方」(20時間)。【地域金融分野】が「ゼロから学ぶ簿記会計」(5時間)「簿記会計」(5時間)「決算書」(5時間)「財務分析」(5時間)「キーワードで学ぶ会計」(5時間)「原価計算」(5時間)「管理会計」(5時間)「新会計基準」(5時間)「連結会計」(5時間)「税金のしくみ」(5時間)「会社と税金」(5時間)「不動産と税金」(5時間)「相続と税金」(5時間)「金融法務」(5時間)。【国際ビジネス分野】が「外国為替と国際取引」(5時間)「基本条項で学ぶ英文契約書の読み方」(10時間)「異文化コミュニケーション」(5時間) 「TOEIC Power−School」(36時間)というラインナップ。訪問して登録するほか、ネット上からも登録申込みができる。

【福岡県若年者しごとサポートセンター】
http://www.ssc-f.net/
 福岡はアジアビジネスを展開する企業の人材育成支援に力を入れており、麻生教育(株)と組んだ「アジアセールスパーソン育成塾」が注目される。この事業はセールス活動を通して自己を成長させ、福岡県の地域的、人的、施策的優位性を理解することで、将来的に福岡とアジアのビジネス交流を推進できるセールスパーソンの育成を目指したもので、アジアという広いフィールドで活躍できる高いスキルを持った人材の育成がテーマ。プログラムは「初級e-ラーニング」「中級コース」(初級コースのステップアップ。演習やグループディスカッションを行い、アジアセールスパーソンとして必要な基礎知識を習得する)、「上級コース」(アジアセールスパーソンとして活躍している日本屈指の特別講師団による講義を受け、アジアセールスの実践を深く理解する)、「語学オプションコース」(必要不可欠である語学の基礎学習を行う。基本の発音と文法から、実際に出国する際に必要な会話、ビジネスシーンでよく行われる会話までを学習。英語、中国語、韓国語コースがある)で構成されており、利用するにはしごとサポートセンターの「会員登録」が必要。教科書代は各自負担だが受講料は無料。

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