2003年12月「躍進する市民メディア」
*コメント・URLは2003年12月当時のものです

選考者のつぶやき(財団法人AVCC 普及啓発部長 丸山 修)

   平成15年12月末は、市民メディアのページをいろいろ見ながら年を越しました。「智財創造ラボ」のページを楽しんでいたら、この間 注目していた、熊本の住民ディレクターや札幌市市民情報センターを改めて勉強することになり、関連していろいろな情報と 出会ったり、再会したりしました。
 20年ぐらい前、NHKに列島ビデオランドという番組があり、そこにビデオを投稿する方々を中心とするビデオマンの全国組織立ち上げ に関わったことがありますが、いまや、マスコミを頼らずとも、CATVやインターネット、あるいはそれらを総合利用して映像情報の公開が できる世の中になっています。
 こうした表現手段、情報発信手段を手にした市民は、自らの感性と身体で地域と密着しながら情報を生産します。 そしてこれらの市民メディアの活動が地域に元気をもたらし、地域づくりのコミュニティウェアへと展開され、 市民による市民のためのパブリックサービスを増殖させていきます。そこに社会貢献と自己実現による生涯学習社会の姿を感じます。


【NPO法人むさしのみたか市民テレビ局】
http://www.parkcity.ne.jp/~mmctv/
 テレビメディアを使った新しいまちづくりを行うことを目指して設立されたNPO法人むさしの みたか市民テレビ局(MMCTV)のサイト。同NPOでは、武蔵野三鷹ケーブルテレビ局の市民開放チャンネルを 利用して2001年より、市民が自主番組「月刊わがまちジャーナル」を制作し、提供している。HPでは、その活動の振りや番 組の内容、市民からのネタ情報、視聴者の感想などで構成されている。主な番組は「まちを考える」という 視点で毎月様々なテーマを取り上げる「まちを考える」。月替わりでHotな話題を取り上げる「MM横丁」。 MM(武蔵野三鷹)のスポットを紹介する「おでかけ・すぽっと」。市民の情報発信を取り上げる「かけこみ 情報」など。ディレクター、撮影・編集、ナレーション、音楽、取材・効果、構成、インタビュー、監修など の作業をNPOのメンバーが分担して担当。参加するには経験や在住などの条件はなく、まちづくりの熱いマインド があればいい。

【札幌市市民情報センター】
http://media.city.sapporo.jp/
  札幌市市民情報センターは、市民が手軽にITに親しみ・学び・表現し・情報発信することを支援する施設。 そこでは、市民のITスキルや情報リテラシー育成事業である「ワークショップ さっぽろIT市民塾」などの 教育事業や施設・設備のインキュベーション機能などを通じて、市民の社会参加や社会貢献活動が支援され、 市民と行政のパートナーシップへの道筋が引かれている。ここを拠点に活動しているNPO法人 シビックメディアは、札幌市のホームページ「ウェブシティさっぽろ」(http://web.city.sapporo.jp/) の運営、市民放送局そら色ステーションの制作・編集(http://media.city.sapporo.jp/sorairo/)、シビック メディア塾を通して、札幌のまちづくりの推進や市民ジャーナリズムの普及と定着を目指している。 札幌市市民情報センターはまさに行政と市民のパートナーシップのショールーム、ベストプラクティの場ともいえるのでは。

【プリズム 人、光る。國創り まち創りとパブリック・アクセス】
http://www.prism-web.jp/index2.html
  熊本県で「住民ディレクター」という手法で地域づくりを支援している有限会社プリズムのサイト。代表者の岸本 さんは、いまや全国のCATV界や地域情報番組関係者の間では注目の人。テレビ番組を制作するプロセスが地域 創りに求められる幅広い企画力、取材力、構成力、広報力、構想力などを育てることに着目し、地域創りの デイレクターであり、同時に地域情報の発信者である人の養成を考案。平成8年から人吉球磨広域行政組合の 人材養成事業として「住民ディレクター養成講座」をスタート。平成11年にはくまもと未来国体で70人を養成。 1年間ラジオ、テレビの制作を行った。現在でも、熊本朝日放送で住民ディレクターが企画から収録まで行う、 新発見伝くまもとを制作中。住民ディレクターは現在、熊本県で約120人が活躍中。なお、昨年10月20日には、 住民ディレクター発祥の地、熊本県球磨郡山江村で、ついにインターネット放送局「山江村民てれび」> (http://www.ystv.jp)が開局している。こちらは村長自ら住民ディレクター第1号で、15人のディレクターが活躍中。

【京都西陣町家スタジオ】
http://www.nishi-jin.net/
 特定非営利活動法人京都西陣町家スタジオのサイト。同NPOは京都府商工部の「西陣SOHOづくり推進プロジェクト」 に賛同し、この地域が培ってきた歴史や文化にもとづく町並みや社会のありかたを大切にしながら、これからの都市 が担うべき生活文化産業を誘致・起業することや、情報技術などを活用して伝統産業を再構築することを通じて、 西陣地域の活性化を実現することを目的に設立された。西陣SOHO人材育成、 伝統産業アーカイブ推進、 インキュベ ート施設運営、 マルチメディアコンテンツ制作、地域求職活動援助などの事業に取り組んでいる。教育事業として 商店開業スタートアップ講座、SOHO開業支援セミナー、IT技術習得講座、キャリアデザイン・ワークショップ、 京都西陣デジタルプロデューサー養成事業、SOHOデジタル人材育成事業、Webマーケティング戦略会議などを実施し ているが、少数を対象にした実践的なプログラムが注目される。農業がバイオに化けるように、IT化で変身する西陣 にも注目。

【智財創造ラボ フューチャー・コミュニティーズ】
http://www.kanshin.jp/chizai/
 環境デザイン、情報デザイン、活動デザイン、フォーラム情報グループなど各分野の情報や知がネットワークされた たいへんユニークなサイト。コミュニティウエア「関心空間PRO」を使って、それぞれの人の持つ関心事をキーワード として登録し、キーワード同士の「つながり」を互いに発見しあってゆく情報空間となっていて、現在約35名が参加のもと 250のキーワードによる知のコミュニティが形成されている。フロントページには"連携と協働のための活動・道具・環境 をデザインし、そこから生まれる関係価値=<智財>の社会化を目指す研究プロジェクト「智財創造ラボ」。" と宣言されている。学習環境、e-ラーニング、ワークショップ、コミュニティビジネス、社会起業、地域通貨、市民メディア、 メディアリテラシー、公共空間・コミュニティ拠点・・・などのキーワードをもとに情報のリンクを辿っていくと、世の中の 新しい動きに次々と出会えるナレッジ・ナビゲーションを楽しめる。

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