2003年11月「それぞれの世界」
*コメント・URLは2003年11月当時のものです

選考者のつぶやき(財団法人AVCC 普及啓発部長 丸山 修)

 今月はこの間事務局に寄せられた自薦・他薦を中心に「それぞれの世界」というイメージで選んでみました。なんでもそうだといえば、そうなんですが、ホームページの中に息づくそれぞれの「ワールド」はインターネット普及の原動力でもあります。
 「ようこそなつかしい未来大井町へ」では、商店街というコミュニティの未来が昔のように人情熱き世界であることを願い、「北九州くらしナビ」では、保健や福祉面でのサービスや施策をワンストップで案内する世界が、「みんなで自然図鑑をつくろう!」は利用者参加型の自然図鑑の世界が、「ことわざわーるど」はことわざや熟語を楽しく学べる世界が、そして「吉野川資料館」は文字通り吉野川をめぐる歴史・文化・学び・遊びの世界が網羅されています。
 これらのさまざまな世界との出会いが、誰のどんなアクションにリンクするのか、それがインターネットの興味深いところです・・・。


【ようこそ!なつかしい未来・大井町へ】
http://www.ooimachi.jp/
 東京・品川区の大井銀座商店街振興組合が東京大学大学院情報学環 大井町プロジェクトの協力で運営しているサイト。「昔は良かった」と懐かしむような未来を築いていこう。”「良かった」ということは、昔は地域で暮らす人たちの人間関係が豊かだったから。”というようなコンセプトでネット上のコミュニティづくりを通じて、リアルなコミュニティに人間性を復活させようという試みか。大井町には8つの商店街があるので、これらが競って情報発信したら、きっとすごいことになる。大井町ニュース、特売情報、大井町昔話などご近所ネットの充実を期待する。

【北九州市くらし情報ナビ】
http://infonavi.life-kitaq.jp/
  「くらし情報ナビ」は、北九州市の保健・医療・福祉・教育・地域などくらしの情報を提供している。運営は北九州市保健福祉局総務部計画課。「情報ボックス」「相談の部屋」「講座・イベント」「学びの時間」の4コーナーがあるが「情報ボックス」の「ライフステージ検索」では、「誕生」から「高齢」まで9つのライフステージで受けられるサービスや必要となる手続きにナビゲートしている。また「講座・イベント」では、市内の市民福祉センター(公民館)などの施設の講座やイベント情報が提供されており、紹介施設は順次拡大されている。「学びの時間」では、保健福祉について楽しく学べる「クイズでビンゴ」もある。

【みんなで自然図鑑をつくろう!e-forest BioMAP(ビオマップ)】
http://biomap.e-kids.ne.jp/
  NPO法人子どものメディアを考える会(e-kids)が、子どもゆめ基金(独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター)の採択を受け、ツール「e-forest BioMAP」を使って作成している自然地図図鑑のサイト。BioMAP は、日々の生活の中で出会った自然のいきものを、カメラ付(※GPS)携帯電話やデジタルカメラを使って撮影し、リアルタイムにインターネット上に送信できる。また、PC上で、自然物の発見位置情報を地図上に登録して、分布図を見たり、発見物の種類などのメタ情報を付加できる。現在、阪神地域を中心として自然愛好家サークル、学校、幼稚園、企業、家族など 30数団体が参加している(2003.12.12現在)。

【ことわざわーるど】
http://www.kotowaza-world.com/index.html
 ことわざわーるどは、ことわざと四字熟語をウェブ上で手軽に検索できるサイト。(有)アゾニック情報システムズが運営している。現在、8つのカテゴリーにことわざ450語が登録されており、キーワード検索とカテゴリー検索ができる。各ことわざは読み方と意味、故事、成語、および事柄などの出所や、それが載っている書物などを明記。また、同じ意味や使い方をすることわざの紹介や、ほぼ同じ意味で使われることわざや、反対の意味で使われることわざなどで構成されている。また、カテゴリーごとに関連する楽天ブックスの図書の紹介・購入申込みページにナビゲートされており、なかなか面白いe-ビジネス。四字熟語クイズもふりがなクイズ、穴埋めクイズ、選択クイズ,並べ替えクイズなどバリエーションがあり、エデュテイメントできる。

【吉野川資料館】
http://www.toku-mlit.go.jp/river/frame.html
 国土交通省徳島河川国道事務所が運営するサイト。「知る」「学ぶ」「楽しむ」「考える」「調べる」「備える」「集う」「第十堰」のカテゴリーで構成されている。四国三郎・吉野川にまつわる歴史や文化のコンテンツは充実しており、地図、静止画像、ムービー、テキストなど見せ方も工夫されていて飽きない。そして、その歴史や文化は、利水や治水、川と人間、自然と技術の戦いの歴史だったことを物語っている。「あの日あの時語り継ぎたい吉野川の歴史」に県民が寄せた情報一覧をみても、ほとんどが台風や洪水に関するもので、「楽しかった水遊び」の類は少ない。しかし、川は人間に多くの恵みをもたらしていることも忘れてはならないというメッセージが伝わってくる。

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