2003年8月「インターネットで美術鑑賞」  
*コメント・URLは2003年8月当時のものです

選考者のつぶやき(財団法人AVCC 普及啓発部長 丸山 修)

 久しぶりに美術館のサイトを探索してみました。数年前に比べると収蔵作品のデジタル化とインターネットへの公開は一段と盛んになってきたように感じます。とくに画像のサイズや鮮明さは、以前、申し訳程度のレベルで公開していたものに比べ、大きく、クリアになっているのに驚きました。こうなると、より本物を観たい欲求をますますくすぐられます。
 今回、紹介した藤城清治氏、浅井忠氏、東郷青児氏、堂本印象氏の作品はいずれも、インター ネットの向こうから作者や作品が来館者を招く、優れた仕掛けになっているのでは・・・。


【昇仙峡 影絵美術館】
http://www.yokogawa.co.jp/Measurement/Yamanashi/art/kagee/kagee.html
 影絵美術館は、世界的な影絵の巨匠である藤城清治氏が自ら監修・設計し、平成4年にオープン。真っ黒な展示空間に小人や動物、草花等、藤城清治氏の影絵作品55点が展示されている。その夢のような世界は来館者を驚きと感動で圧倒するという。また、第2展示室には山下清氏の原画、版画が30点展示してある。ホームページでは、展示作品のうち藤城清治氏の光と影のファンタジー作品40点と山下清氏の貼絵とペン画19点が公開されている。公開されている画像はかなり鮮明で拡大が可能。実際に美術館へ行って幻想空間で鑑賞したくなるほど力強く、魅惑的な情報発信だ。なお本サイトは「横河電機T&Mホームページ」内の「山梨県情報」内にある。

【千葉県立美術館収蔵作品による浅井忠の軌跡】
http://www.chiba-muse.or.jp/ART/asai_sp/index.html
  千葉県立美術館は、昭和49年の開館以来、千葉県ゆかりの画家、浅井忠氏(1856〜1907)の調査研究と作品収集に重点的に取り組んできた。現在までに油彩、水彩、日本画、工芸などの作品約180点をはじめ、下絵や書簡などの資料も数多く収蔵している。インターネットでは収蔵作品から、「1.幼少期〜東京時代1」11点、「2.東京時代2」6点、「3.滞欧時代」7点、「4. 京都時代」7点など、ほぼ時代を追って作品を紹介しており、作者の多彩な足跡を追体験できる。なお、本サイトは「千葉の県立博物館」(http://www.chiba-muse.or.jp/top.asp)内「デジタルミュージアム」のコーナーにある。

【損保ジャパン東郷青児美術館】
http://www.sompo-japan.co.jp/museum/
  新宿の超高層ビル42階にあるアート・スポットとして名高い東郷青児美術館は、損保ジャパンの前身、安田火災の美術館設立に際し、同社とゆかりの深い画家、東郷青児氏(1897 〜1978) から、自ら所蔵していた自作約 200点と自身で収集していた国内外の作家による作品約250点の寄贈を受け、1976年7月に一般公開された。その後、グランマ・モーゼス、ルノワール、パブロ・ピカソ、ジョルジュ・ルオー、マルク・シャガール、岸田劉生、山口華楊、奥村土牛、フィンセント・ファン・ゴッホ、ポール・ゴーギャン、ポール・セザンヌなどの作品が加わり、展示内容は一段と充実、今日に至っている。サイトでは、東郷青児氏の作品50点の他、ゴッホの「ひまわり」、ゴーギャンの「アリスカンの並木路、アルル」、セザンヌの「りんごとナプキン」が鮮明な画像で公開されている。

【静岡県立美術館】
http://www.spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/
 静岡県立美術館は、1986年4月、日本平の山麓に開館。作品の収集と収蔵品展や特別展示に加え、「開かれた美術館」としてワークショップ、自由工房、実技関係講座、講演会、美術講座、シンポジウム、ギャラリートーク、コンサート、移動美術展といった教育普及事業にも力を注いできた。また、1994年3月には、ロダンの彫刻と19世紀以降のヨーロッパ彫刻を一堂に展示する新館・ロダン館をオープンしている。収蔵品のデジタル化と公開についても2001年以降、精力的に取り組んでいる様子がうかがえる。「主な収蔵作品」、「新収蔵作品」(2001、2002、2003)、「15周年記念収蔵品」などには画像とメタデータ及び作品解説が掲載されており、来館前の事前学習にも役立つ。

【京都府立堂本印象美術館】
http://www2.ocn.ne.jp/~domoto/
 京都府立堂本印象美術館は、金閣寺から龍安寺、仁和寺に至る「きぬかけの路」に立地する近代日本画の大家 堂本印象氏(1891〜1975)の美術館。印象氏は自分の作品を展示する空間として1966年、自らが内装・外装などをデザインし設立した。印象氏の没後美術館は1991年8月に所蔵作品とともに京都府に寄贈され、翌年4月京都府立堂本印象美術館となり、今日に至っている。 サイトには13作品が、鮮明な画質と解説で提供されている。「印象は生涯多くの作品を遺したが、その作風は伝統的な日本画から抽象画に至るまで華麗な変遷を辿り、日本画壇に強烈な刺激を与え続けた」という凄さがパソコンのディスプレイからさえもリアルに伝わってくる。なお、サイトのの画像は電子透かし技術を用いて著作権情報を追跡して確認できるようになっている。

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