2003年6月「子どもから大人まで参考になる学習コンテンツ」  
*コメント・URLは2003年6月当時のものです

選考者のつぶやき(財団法人AVCC 普及啓発部長 丸山 修)

 6月のgoodsite選定は、4月から6月にかけて事務局に自薦・他薦として届いたサイトを中心に、学校現場や生涯学習に役立つ学習コンテンツを取り上げてみました。結果として、自然、環境関係のコンテンツがメインになりましたが、それだけこのテーマは、社会的にも個人的にも関心が高いということの反映なのでしょうか。また、誰もが情報発信できるインターネットの特徴に因ると思いますが、個人が運営するサイトのパワーを改めて感じました。市民の視点と専門家の視点で、さまざまな分野のコンテンツが充実することにより、ネットワーク上にエンサイクロペディアができる、と考えたgoodsite運動の原点を久しぶりに追体験しました。これからも学習コンテンツ特集を適宜実施していきたいと思います。


【市民のための環境学ガイド】
http://plaza13.mbn.or.jp/~yasui_it/index.html
 安井至さんのサイト。メディアで報道されている環境に関するトピックを専門家の視点から掘り下げ、一般に向けてわかりやすく解説している。環境問題を正しく理解するために、環境を考える基本思想から解説し、例題として身近なリサイクル問題、ごみ焼却問題などを考えさせていく。「今月の環境」はほぼ毎日更新されており、環境問題がいかに報道されているのかを改めて実感。そのニュースの深層にスポットをあてている本サイトはわたしたち市民にとって貴重である。環境をテーマにした生涯学習や市民学習、児童の調べもの学習などの参考にもなるし、質問や意見もメールで受け付けている。

【iStone 鉱物と隕石と地球深部の石の博物館】
http://www.istone.org/
  サイト運営者自身が学生時代から収集してきた標本(宝石の原石、水晶、鉱物、岩石、隕石、マントル起源物質など)のうち、200種以上を写真付きで紹介しながら、宝石の魅力から太陽系の起源までを解説。ユニークな特性や形をした鉱物を紹介する「おもしろ館」、何かに似ている鉱物や石を紹介する「ものまね館」、宝石の原石の素朴な美しさを紹介する「宝石館」など一般の人でも楽しめるコンテンツの他、学生や科学好きな人を対象に詳しい解説を掲載した「マントル館」や「隕石館」などもある。より多くの人たちに見てもらうためにサイトの作りも軽くするよう配慮。メールによる質問も受け付けている。

【きまから工房】
http://www6.ocn.ne.jp/~kimakara/kimakara.html
  早見正一さんが運営するサイト。小中学校の「総合的な学習の時間」などに利用してもらえるよう、これまで撮りためた自然写真を公開。山梨県の蝶の生態写真を中心に、植物、動物、気象、山岳等を掲載中。「蝶の生態写真」コーナーにはノンストロボ・野外撮影にこだわった山梨県内の蝶146種類中126種類が掲載されている。また、コメントつき写真で毎日のように更新されている「きまからデジカメ日記」も、日々の季節の移ろいが感じられる力作。他にも植物や小動物、風景写真などのコンテンツも日々更新中。

【へんてこ樹木(じゅもく)図鑑(ずかん)】
http://www.ki-net.jp/
 樹を育てる手伝いをする普及員、ゆんさんのサイト。いろいろな人が樹を身近に感じ、樹にやさしくなってほしいという願いをこめて発信。「樹を見分けるヒント」「どんぐりの名前をさがそう」「球果ってなあに?」「すきな樹」「めばえずかん」など子どもにもわかりやすく楽しく解説。またこのサイトの特徴は、こどもや高齢者、障害者、パソコンに不慣れな人たちにもこのサイトを楽しんでもらうために「ユニバーサルデザイン」を目指していること。小学校5年生が読むことができる表記や、音声読み上げソフトへの対応や文字拡大への配慮、低速回線でも閲覧できるような軽い作りなどいろいろと工夫されている。

【農業技術ヴァーチャルミュージアム】
http://trg.affrc.go.jp/v-museum/
 独立行政法人化で研究成果の情報発信に一段と磨きがかかっている農業技術研究機構が運営。「つくばリサーチギャラリー」(http://trg.affrc.go.jp)内に、平成15年5月1日オープン。農業の発達の歴史を図解や写真・映像などで紹介する仮想博物館を構築。「1F:目で見る農業技術の発達」では、インターネット絵巻物「稲作技術発達史」「食品加工技術発達史」「畜産技術発達達史」、そして「2F:農業+生物研究の最先端」では「研究所最新ニュース」「映像で見るバイオテクノロジー」「クローズアップ農業技術」などコンテンツが充実。とくに次世代を担う青少年に農業と科学に関心を持ってもらうため、また、学習教材としても活用できるよう考慮して制作している。

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