2003年4月「トライやる・ウィーク」  
*コメント・URLは2003年4月当時のものです

選考者のつぶやき(財団法人AVCC 普及啓発部長 丸山 修)

 今月のテーマは「トライやる・ウィーク」。goodsite運動として社会教育施設の奉仕体験事業を調べていたが、ホームページ上に「奉仕体験」という視点で情報を発信しているのは福祉や環境関係の体験学習を提供しているところやそれらの支援機関が多い。

 また、体験学習という視点となると多くは農業体験や自然体験となってしまう。それはそれで大事な領域ではあるが、公民館や図書館、博物館も地域に根ざした社会機関として、これからは奉仕体験や職業体験事業の推進とその情報発信に力をいれて欲しい気がする。

 「トライやる・ウィーク」は兵庫県が平成10年から実施し、いまや全国に類似の試みが普及している事業。平成14年度は兵庫県下360の中学校で実施され、参加生徒数は52216人に昇った。活動分野は職業体験、ボランティア福祉体験、文化・芸術創作活動、勤労生産活動、その他の5分野。期間は5日間。図書館や公民館、歴史文化施設の仕事に「トライやる」する生徒もいるが、今回、それらの内容や報告を探し当てることはできなかった。それはそれとして、今年も「トライやる・ウィーク」の幕を開ける。全体的に今後の情報発信が拡充されることを期待したい。


【トライやる・ウィーク(セブンスディメンジョンデザイン)】※終了しました
 医療情報システムの開発を手がける(株)セブンスディメンジョンデザイン(SDD,Inc.)が運営しているサイト。同社の兵庫県川西市にある事業所がブートアップコンピュータスクールと共同で1998年と99年に「トライやる・ウィーク」受け入れ事業所ボランティアに参画。地元の川西市の市立中学校3校(緑台、東谷、清和台)の2年生に「Webコンテンツの制作」の体験を通して、社会との関わりをを実感して貰おうと実施した事業の成果が公開されている。制作設備機材は同社が提供し、企画・取材・制作は、生徒達が独力で行った。トライやる・ウィークということで取材対象は、スポーツセンター、寺、市役所等で仲間の生徒がトライしている職業体験・社会体験等に絞り、受け入れ先の人や体験中の生徒などに働きぶりや仕事についてインタビュー、自分たちのWeb制作体験の感想等でまとめている。

【トライやる・ウィーク(ミームネット)】
http://www.hitbitplaza.jp/plaza/trial/
 姫路市のインターネットプロバイダー「ミームネット」(インフォミーム株式会社が運営)では、近くの「HitBitPlaza コミュニティITサロン」(SOHOサポートセンター姫路)と協力して、2002年6月10日から14日の5日間、姫路市立高丘中学校の2年生4人を職業体験として受入れ、ホームページに掲載するコンテンツの取材及び制作活動の体験指導を行っている。初日がスタッフ編成、取材先検討、取材依頼。2日目・3日目が取材。4日目・5日目を編集にあてており、取材対象は「牧場」「農園」「幼稚園」「モールの食品売り場と焼き肉屋」「消防署」「ファーストフード・ショップ」で働く仲間の頑張りぶり。ホームページでは活動風景や感想とともに完成ビデオが公開されている。

【トライやる・ウィーク(兵庫県八鹿町立八鹿中学校)】
http://www.fureai-net.tv/youkatyu/
 平成14年度地域に学ぶ中学生体験活動週間トライやる・ウィークの報告が公開されている。同中学校では2年生男子56名、女子49名の合計105名が町内の事業所30ヵ所に5日間(6月3日から6月7日)出向いて職業体験や社会体験活動を実施。トライやる先は地域の生活を支えている保育所、幼稚園、学校給食共同調理所、消防本部、警察署、役場、福祉施設、郵便局、病院、ケーブルテレビ局、スーパー、レストラン、自動車ディーラー、製造会社、サービス会社など多岐にわたっている。ホームページ上には同事業の理念や目的、目標とともに、30事業所のリスト、各事業所ごとの体験日程、指導ボランティアなどが掲載され、各事業所におけるトライやるの様子が写真と文章で紹介されている。また、受入事業所のひとつ藤田製菓のHP(http://www.fujita-seika.jp/)にはトライやる・ウィーク体験レポートが公開されており、5日間の具体的な作業内容と指導側の感想、生徒2人の体験レポートがある。

【トライやる・ウィーク(篠山市役所情報システム係)】
http://www.city.sasayama.hyogo.jp/tptrial2002.html
 「体験活動を通して、輝く自分と出会い、自分探しの旅をはじめましょう」と全国自治体ホームページランキング総合4位(2002年)の篠山市の公式サイトを運営している総務課情報システム係でも、2002年度生徒の希望で3名のトライやるを受け入れた。丹波ささやま五十三次や民話と伝説など市の歴史や史跡をホームページにした。ホームページで検索すると11月22日の日付で「丹波ささやま五十三次(西紀編)」(http://www.city.sasayama.hyogo.jp/rekishi/53nisi/index.html)並びに「ひとからひとへ受け継がれてきた民話と伝説 たんなん」(http://www.city.sasayama.hyogo.jp/rekishi/tannan/)に写真と文章からなる53+30のコンテンツ(史跡や民話・伝説)がアップされており、3人の生徒と指導ボランティアの方の奮闘努力ぶりが伺われる。また、中学生3人の体験学習中の日誌や感想、受入先へのメッセージが掲載されている。

【トライやる・ウィーク(ヤノ電器株式会社)】
http://www.yano-el.co.jp/trial_week/2001/index.html
 ヤノ電器では2001年6月4日〜8日の5日間、神戸市立井吹台中学校の2年生5名を受入れ、その模様を同社のホームページ「教育事業」のコーナーで公開している。「教育とコンピュータ利用研究会」の事務局(http://www.ace.or.jp/)や「こころ島」「イー・キッズ・クラブ」等の幼児教育サイトも運営する「教育とコミュニケーション」の先進企業だけにトライやる・ウィークのページもたいへんエデュテイメント。5人の自己紹介や「生産本部 〜ヤノ製品をお客さまの手に!〜」「3Rプロジェクト 〜3RのRって何の頭文字?〜」「サポート 〜ヤノ電器とお客さまとの掛け橋づくり〜」「畑仕事 〜真っ赤なイチゴを収穫! カマキリもいたよ〜」「社長からのお話 〜将来何の仕事がしたい?〜」「トライやる新聞づくり 〜10年後のヤノ電器を大胆予想!〜」からなる体験内容のレポート。そして最後に自分たちが社会に出る10年後のヤノ電器がどうなっているのか、同社の顧問、女性社員、若手社員3人へのインタビューと自分たちが体験を通して感じた10年後の同社を大胆に予想している。

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