◆1998[good site]賞◆
 1998[good site]賞が決まりました!! 
 1997年5月から1998年3月までの期間に隔月10サイトずつノミネートしてきた60サイトの中から、より個性的で活発な活動を行っていると評価されるサイトを16サイト選びました。この賞は、運営者の方々の活動に敬意を表し、またさらに発展していただきたいという気持ちを込めて表彰させていただくものです。昨年度との違いは、賞のカテゴリーを設けなかったという点です。カテゴリーにとらわれずとくに優れたサイトを選びました。
 では、今年の[good site]賞をご紹介します!


   ※審査について
  選考対象[good site]
  審査委員会日程
  審査方法
  賞品

≡ 1998[goodsite]賞:受賞サイト(16サイト) ≡

        ※ 発信者名は敬称略
        ※ コメントは1998年当時のものです



熊本県天草郡大矢野町立湯島小学校・中学校
発信者:熊本県天草郡大矢野町立湯島小学校・中学校

http://www.edu-c.pref.kumamoto.jp/jhs/yusimajh/

 全校児童18名の小学校と、全校生徒7名の中学校(98年度)の小さな島の小さな学校のページ。湯島の紹介や、学校の紹介、こどもたちの学習の成果などが発信されている。とくに湯島の紹介は、方言やひらがな、英語で発信しており、また「YZH計画」(湯島を全国の方言で紹介してもらおう計画)という面白い試みを行っている。これは湯島の紹介を全国の方言で表現して下さいと協力をWeb上で呼びかけている活動で、現在約40の都道府県、80人近い全国の人々が協力している。こどもたちののびのびとした感じが伝わってくるページ。これからもネットワークを通していろいろな地域の人達との交流を広げていってほしい。


岩手県立岩泉高等学校田野畑校
発信者:岩手県立岩泉高等学校田野畑校

http://www.michinoku.ne.jp/~tanohata/

 岩手県の田野畑高校「インターネット隊」制作の、高校生の力あふれる元気のいいページ。生徒会誌の情報を中心に、学校内の活動や地域におけるボランティア活動、伝統芸能の伝承活動の様子などが生徒のことばで発信されている。高校のリンクリスト「世界高等学校総合文化祭」では、各学校の生徒会活動、部活動、生徒の意見・研究などの活動に関して発信されているページへリンクしている。生徒によって更新も継続的に行われている。まだ海外の高校のサイトが少ないのでより充実を図り、リンクリストだけではなく世界の高校生のコミュニケーションの場となるように発展していくと面白いだろう。


わくわくナースねっと
発信者:日本看護協会

http://wakuwaku.nurse.or.jp/

 日本看護協会のページ。主に全国の看護士・看護婦さんに向けて発信されており、データの更新もかなり頻繁に行われている。情報もわかりやすく整理されており、キーワード検索や電子メールサービスもある。医療の場で感じることや、情報交換をBBSで行うことのできるのコーナー、メディアで取り上げられた看護関連の情報や、法令、統計情報、また注目される話題などが掲載されているコーナーなどがある。現在決して恵まれた環境ではない看護の場で、がんばっている看護士・看護婦さんの交流の場として、またよりよい医療の現場を創りあげるきっかけの場として、今後さらに期待できるページである。


インターネット医科大学
発信者:インターネット医科大学

http://health.nifty.com/
*2001年より健康@niftyのコンテンツのひとつとなっています

 全国各地で活躍している医師などが「教授」となり、一般の人の健康相談だけではなく、医療関係者、医学生からの医療に関する相談を各「教授」宛に直接メールを出すことができる。相談できる診療科は、現在26に及ぶ(98.5.1現在)。現在も「教授」を募集しているので、今後さらに増えていく予定。一般の人にとっては、気軽に相談できる町医者、専門家にとっては生きた辞典、情報交流の場となるだろう。各「教授」はボランティアで、相談料はもちろん無料。Web上には「教授」のアドレスがのっているだけで、実際のやりとりはプライバシー上の問題もあるためオープンにされておらず、表面に見えない部分は「教授」と「相談者」の良心をベースになりたっている。ネットワークを利用した医療の新しい可能性を探る興味深い実験のひとつである。


島根県立生涯学習推進センター
発信者:島根県立生涯学習推進センター

http://www7.pref.shimane.jp/manabi/

 島根県立生涯学習推進センターのページ。県民が身近な学びの場を探すときに必要な情報をまとめて提供している。島根県内で開催される講座や教室、講演会や映画、展覧会等の開催や生涯学習施設などが、市町村をまたがり、地域やキーワードで検索できる。また、県立図書館の蔵書や視聴覚センターにある視聴覚教材も検索できる。データは頻繁に更新されており、鮮度の高い充実したデータがおさめられているので、充分利用価値があるページである。身近な学びの場を提供する生涯学習センターの役割を果たすために、このように実用的な情報発信を中心により幅広い住民の学びの意欲にこたえるページづくりを今後展開してほしい。


パンダと学ぶ中国語
発信者:三枝 裕美さん

http://sage.media.kyoto-u.ac.jp/call/soujin/panda/

 名古屋外国語大学で中国語を教えている三枝裕美さんのページ。かなり手間のかかる作業とのことだが、授業で使用している自作教材をWeb上に移植している(Shock Wave ムービー)。言語取得で必要な発音はもちろん、日常会話、数のあらわしかた、漢詩等が音声と併せて学習できる。ゲーム感覚で確認のテストもできるようになっており、タイトルの通りパンダと一緒に学んでいく楽しいページ構成を目指している。実際に教壇に立っている立場で教材がつくられているので、系統だった良質の教材となっており、このような教材が無償でWeb上で提供されているのはたいへん有益である。時間の制約があり情報の更新がなかなか難しいようだがこれからも是非がんばっていただいきたいと思う。


仙台市科学館
発信者:仙台市科学館

http://www.kagakukan.sendai-c.ed.jp/

 科学館の活発な取組みが感じられ、総合的に充実した情報発信を行っている。とくに東北6県(宮城県中心)の動・植物、化石・岩石・鉱物のデータベースの「自然史図鑑」には、 約4,800ものデータ(画像・説明)が収められており、名前や特徴で検索できるようになっている。また近年減りつつあるガンに関する情報「渡鳥と湿地」、気象データや国内外の科学館のリンク集などがある。また「科学薬品データベース」や微生物図鑑の「サイバー図鑑」などといった新しい取組みも増えている。今後は科学館としてさらなる情報の充実とともに、人々(こどもも大人も含めて)の交流の場を育てていってほしいページである。


Multi-Cultual-Pedia(異なる文化を楽しみながら学ぶ事典)
発信者:Tokyo Tokyo Tokyo

http://www.netlaputa.ne.jp/~tokyo3/

 生活習慣など身近な話題から各国の文化の違いを発信しており、視点がとてもユニークである。また、これらを既存の情報を寄せ集めて発信しているのではなく、実際に諸外国で生活している一般の人達から情報を集めている点も興味深い。学問的な側面での情報発信ではなく、各国で生活している人々同志のコミュニケーションのきっかけとなり、お互いを理解するきっかけを提示しているページである。英語に対応していないが今後英語版を作成する予定とのことである。英語版ができいろいろな国の人々に見てもらえば、コンテンツの充実や、人々の交流もより活発になり、更に楽しいページになるだろう。


青空文庫
発信者:青空文庫

http://www.aozora.gr.jp/

 ネットワーク上の電子文庫。著作権保護期間を過ぎた作品、著作権者が公開に同意した作品など著作権をクリアしたものを電子化し掲載している。活動のベースは全てボランティアで成り立っており、著作権に対して真摯な姿勢で良質な作品を共有の財産として残していこうという取組みは、いろいろな問題に直面しながらそれを解決していくというプロセスを経て成長している。電子化されWebで発信されることにより、時間、場所にとらわれることなく、誰にでも自由に手にできる本だなが、多くの人の輪によって出来上がりつつあるのは嬉しい。


青森遺跡探訪
発信者:相馬 信吉さん

http://www.geocities.co.jp/HeartLand/2310/

 青森県の遺跡に関して、充実したコンテンツをわかりやすく整理して発信している。遺跡関連の報告書をPDFファイルで提供したり、遺跡のデータをデジタル化しカンマ形式で提供しており、利用者が活用しやすい情報提供を行っている。また、青森の小牧野遺跡について、こども向けのページ「こまきのいせきものがたり」も作成しており、活発な情報発信活動を行っている。これらのページを個人で運営しているので、かなり負担も大きいと思うがこれからも更にコンテンツの充実を図っていただきたい。


数学の部屋
発信者:青木 芳文さん

http://web2.incl.ne.jp/yaoki/

 金沢市立高岡中学校 青木 芳文先生のページ。数学の教材を提供している。単にテキストのみの教材だけではなく、ソフトウェアを使った動く教材もあり、「たのしめる数学」にゲーム感覚で挑戦できる。また、様々な年代や地域から寄せられた回答も掲載されており問題に取り組むヒントが得られる。「おもしろい数学」と「教科としての数学」が調和されているページである。授業に活用できる数学のソフトウェアがかなり提供されており、青木先生の年間指導計画に合わせたソフト活用の状況も報告されているので現場の先生には参考になるページではなかろうか。現場の先生がこれだけの教材を作成し、ネットワーク上に発信し情報の共有を行っているということは大変な努力をされていると思うがこれからも是非がんばっていただきたい。


鹿児島大学理学部地学教室応用地質学講座ホームページ
発信者:鹿児島大学理学部地学教室応用地質学講座

http://www.sci.kagoshima-u.ac.jp/~oyo/ochi_j.html

 応用地質学についてとても詳しくわかりやすく情報を提供しているページ。一般の人にとって「・・学」というものは、自分達の生活とはかけ離れたものというイメージが強いが、地震、台風、噴火といった自然災害や、トンネルやダムなどの身近なインフラなどをこの応用地質学の見地から説明されており、こんなに日々の生活と密接に関係のある学問なのかと気づかされる。学生が主体となってつくっており、鹿児島の温泉や焼酎などに関する情報なども盛り込まれ興味深く読めるページとなっている。有益な情報が多いのでこれから一般の人や子供たちも主眼においた情報発信をしていただくとうれしい。


彩の国 自治と分権のまち
発信者:埼玉県総合政策部市町村課行政係

http://www.pref.saitama.jp/A02/BO00/bunken/cover/cover.html

 埼玉県のホームページの中のひとつ。地方自治と分権に関する情報を分かりやすくまとめて発信されている。地方自治の歴史や制度の内容について学べる「学校」のページ、最近の地方分権、地方制度改革・行政改革、市町村合併等についての資料などが掲載されている「図書館」、埼玉県の地方分権の取り組みやイベントなどのお知らせの「掲示板」、みんなの意見や提言が掲載される「広場」となっている。
 行政の発信するページの中で、行政側がめざす方向について住民の理解を得るために情報提供を行っているのは有益である。また、住民が意見を書き込めるコーナーもあるので、これから行政側と住民とのコミュニケーションが生まれていくとより意味のあるページとなっていくであろう。


インターネット版【なるほどの森】
発信者:久米 宗男さん

http://member.nifty.ne.jp/kume/naru/indexj.html

 神奈川県逗子市在住の森 裕美子さんが94年から発行しているミニコミ誌「【なるほどの森】- 小学校のお母さんへ、家庭での理科実験の薦め-」を久米宗男さんがインターネットで発信している。家庭で身近な材料を使って簡単にできる実験が発信されており、スライムを作ったり、カルメ焼きをつくったり、イカを解剖したり、ドライアイスや、電子レンジを使ったり・・・と、すぐやってみたくなるものばかりである。身近なところから「どうして?」と考えるチャンスを与えてくれるページである。1人の主婦の方のミニコミ誌がいろいろな人の協力を得てインターネットで世界に向けて発信されていると思うと楽しい。このページは英語、フランス語でも発信され ているのでこれからも世界に向けてどんどん楽しい実験を発信していただきたい。


Nihongo Paku Paku
発信者:Nihongo Paku Pakuスタッフ

http://www.twics.com/~ysdrunka/

 佐藤幸博さんはじめ4人のスタッフで運営しているページ。日本語に興味のある外国の人たちに向けて、簡単な日本語が楽しいイラストと音声で学べるページ(shockwaveプラグインが必要)。簡単な日常のあいさつや、家族の名称、町で見かけるお店や施設の名称、かたかな、ひらがなの読み方、体の各部の名称や日本の家庭料理の紹介など身近な題材から発信されており、私たちが英会話をはじめて学ぶのと同じステップで日本語を学んでいくことができる。ページのデザインも洗練されており楽しいので、英語の授業でも活用できるのではないか。これから内容の充実はもちろん、習得のレベルを明確にしてより役立つ楽しいページにしていっていただきたい。


TRICREST(トライクレスト)
発信者:有田 忠弘

http://www.cityfujisawa.ne.jp/~tricrest/

 藤沢市辻堂在住の相澤 武さんによる「辻堂」に関するページ。辻堂に関するだいたいの情報がここで得られる。人口や地理、歴史といった情報から、ゴミの収集日、バスの時刻表といった住んでいる人にも役立つ生活情報が発信されている。画像も効果的に使われており、辻堂を訪れたことのない人にもその雰囲気がわかるようになっている。もちろん個人のページなので趣味的な要素もあるが、コンテンツの充実や、整理の仕方などにより、趣味を越えて地域情報を発信しているページといえるだろう。このように、発信する情報を持っている個人がここ数年どんどんインターネットで発信してきた中で、より洗練された情報発信が可能になってきたといえるだろう。


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※審査について

選考対象[good site]

1997年度事業として選考した60サイト(うち1サイトは閉鎖のため除外)

審査委員会日程
  • 日 時  1998年5月1日(金)15:00〜18:00

  • 場 所  財団法人 高度映像情報センター(AVCC)会議室

  • 出席者
      
    公共ホームページ[good site]運動推奨委員
    百崎  英 氏(社団法人行政情報システム研究所 理事長)
    清水 康敬 氏(東京工業大学大学院 社会理工学研究科長)
    永岡 慶三 氏(メディア教育開発センター 研究開発 教授)

    公共ホームページ[good site]運動実行委員
    久保田了司(財団法人 AVCC 常務理事)
    野部  栄(財団法人 AVCC 主任研究員)

    公共ホームページ[good site]運動事務局
    丸山  修(財団法人 AVCC 普及啓発部長)
    山田 瑞恵(財団法人 AVCC 普及啓発部員)

審査方法

 事前にAVCC事務局内において、対象の60サイト(うち1サイト閉鎖のため除外)を下記のポイントから評価し、受賞候補をリストアップしました。この事前評価をもとに、審査委員会において実際にサイトを見ながら各サイトについて議論を行いました。

  • 情報(ページ)の操作性
  • 情報の更新状況
  • コンテンツの充実度
  • インターネットの新しい活用へのチャレンジ性
  • その他

賞 品

 1998[good site]賞記念品及び図書券(1万円)


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